国防長官「地域の緊張高める」中国の極超音速兵器、新たな脅威へ対応迫られる

(2021年12月6日)

2019年10月1日、北京で行われた共産党中国建国70周年記念パレードで、DF-17弾道ミサイルを積んだ中国軍車両(AP Photo/Ng Han Guan, File)

By Bill Gertz – The Washington Times – Thursday, December 2, 2021

 オースティン米国防長官は、中国が7、8月に極超音速兵器の試験発射を実施したことについて、「地域の緊張を高める」と懸念を表明した。中国はすでに極超音速中距離弾道ミサイル「東風17」を配備したことが伝えられており、米国は、軍備増強を進める中国の新たな脅威への対応を迫られている。

 オースティン氏は今月初め、訪問先の韓国ソウルで、中国が7月27日に行った極超音速兵器の試射について、「米国が中国を、ペーシングチャレンジ(米国の安全保障政策を左右する主要な脅威)と考える根拠がさらに明確になった」と述べ、強い警戒感を示した。

 7月の極超音速ミサイルの試射では、「部分軌道爆撃システム」(FOBS)」と呼ばれる旧ソ連が開発した技術が使われたとされている。

 宇宙軍のサルツマン作戦副部長は先月末、この試射について、地球周回軌道上のFOBS兵器のテストだったと指摘。「軌道上に長時間にわたってとどまることができ、その後、軌道から外れて、飛行経路に入る」ため、迎撃は非常に困難との見方を示した。

 7月の試射では、低軌道に滑空飛翔体が投入され、大気圏に再突入、マッハ5以上の速度で標的へと飛行したことが確認されている。これは主に、米国のミサイル防衛システムを攻撃するための兵器だ。

 空軍のケンドール長官は9月、中国が宇宙攻撃能力を持つことを初めて明らかにした。

 また、西部に新設されたミサイル基地に配備されている大陸間弾道ミサイル(ICBM)「東風41」には、核搭載の極超音速滑空飛翔体を搭載できる派生型も含まれているとみられている。

 テレンス・オショーネシー北方軍司令官は2020年2月、議会で、「中国は(核搭載可能な)長距離極超音速滑空飛翔体の実験を行っている。高速で低空を飛行するため、正確に警告を出すことが困難になる」と証言していた。

 専門家らによると、7月の試射は、1967年の宇宙条約に抵触する可能性がある。中国は83年に調印している。条約では、核兵器を搭載した装置を周回軌道上に乗せない、兵器を宇宙に設置しないことが決められている。

 米国は、間もなく公表する国家防衛戦略で、極超音速兵器の開発を優先課題の一つにする見込み。国防総省は、2022年度予算として、防衛システムを含め、40億㌦を超える極超音速兵器関連予算を要求している。

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