中国が世界に商港を拡大へ 海外の軍事拠点として活用か

(2022年1月7日)

2021年10月9日、北京の人民大会堂で行われた辛亥革命110周年記念行事に出席する中国の習近平国家主席(資料写真)。中国は世界各地に95以上の港湾施設のネットワークを拡大し、海外軍事基地システムの構築に取り組んでいる。アナリストは、習近平氏が表明した世界支配の野望を支えることになると指摘している。(AP Photo/Andy Wong, File)

By Bill Gertz – The Washington Times – Tuesday, January 4, 2022

 中国は、巨大経済圏構想「一帯一路」推進の一環として世界95カ所に港湾施設ネットワークの整備を進めている。商港は、軍事拠点としても利用される可能性があり、習近平国家主席が唱える世界的覇権の実現への海外軍事基地の構築にも貢献するものだ。

 近年では、キューバがそのネットワークに加わろうとしている。中国は昨年12月24日、インフラ整備への協力をめぐってキューバ政府と合意したことを発表した。

 中国専門家らによると、キューバとの合意は、米国近くに港湾を整えることを含め、商港と軍港の世界的ネットワーク構築計画の重要な節目となるものだ。

 米当局者は、中国が整備を進める港湾ネットワークは軍事にも利用される可能性があるとみている。

 米海軍大学の報告は、95港はいずれ、中国軍の戦略的拠点となり得ると指摘、専門家らも、その主要目的は、世界的な物流を掌握するための輸送拠点の支配だと主張している。

 さらに中国共産党の政治的支配の拡大という戦略の一環でもあるという。

 中国は、第2次世界大戦後に米国が築いた自由で開かれた世界秩序が中国の全体主義支配の脅威になると考え、自国の統治モデル構築に取り組んできた。

 習氏は2017年に、港湾の拡大計画を表明、「中国の復活のために、…かつてないほどの困難な課題に取り組む覚悟が必要だ」と、世界的覇権確立へ檄(げき)を飛ばしていた。

 さらにこれらの港の軍事的脅威も指摘されている。

 米当局者が匿名で語ったところによると、中国の港湾整備が脅威となる要因の一つとして、輸送コンテナに搭載可能な長距離ミサイルがあるという。中国軍が巡航ミサイル「YJ18」の派生型として開発を進めているもので、完成すれば、世界各地のコンテナ港が中国の巡航ミサイル基地として利用される可能性がある。

 5600隻の国有商船からミサイル発射が可能になれば中国の脅威は高まる。元米海軍大佐のポール・ポドゾロ氏は「国際法研究」誌最新号で、「商船にコンテナ搭載ミサイルを配備すれば、中国の戦闘能力は大幅に強化される」と指摘している。

 オンラインニュースレター「シルクロード・ブリーフィング」は先月、中国が2年前にタジキスタンのパミール山脈に基地を設け、アフガニスタン国境付近に拡大する予定だと報じた。

 また、米国防総省の最新の報告によると、中国軍は、カンボジア、ミャンマー、タイ、シンガポール、インドネシア、パキスタン、スリランカ、アラブ首長国連邦(UAE)、ケニア、セーシェル、タンザニア、アンゴラ、タジキスタンに基地、設備を設置する計画を持っている。

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、中国軍の最初の大西洋の海軍基地は、赤道ギニアとなる可能性がある。また、中東では、イラン、UAEに基地を設置する計画を進め、イスラエルのハイファ港にも商業取引を働き掛けている。

 欧州ではすでに、中国海運最大手の中国遠洋運輸集団(COSCO)がギリシャのピレウス港を運用する権利を取得、17年には中国軍のミサイル搭載艦2隻が寄港している。

 オーストリア軍防衛大学の研究員、マシアス・ポストゥル氏は最新の報告で、有事には中国海軍の補給基地としても使われる可能性があると警告している。

 95の港は大西洋に31、インド洋に25、太平洋に21、地中海に16カ所あり、その大部分は、英仏海峡、マラッカ海峡、ホルムズ海峡、スエズ運河、ジブラルタル海峡など重要なシーレーン(海上交通路)に近い。

 米海軍大学のアイザック・カードン助教は、中国は「軍民融合」計画を進めており、これらの95の港の一部は、中国軍が、海外での軍事活動を維持するための「戦略拠点」として使用されると指摘した。

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