規制を増やすバイデン米政権、納税者に3090億ドルの負担

(2022年11月14日)

2022年11月7日(月)、メリーランド州ボウイにあるボウイ州立大学で行われたメリーランド州民主党知事候補ウェス・ムーアの集会で演説するジョー・バイデン大統領。(AP Photo/Julio Cortez)

By Jeff Mordock – The Washington Times – Tuesday, November 8, 2022

 バイデン米政権は、相次いで打ち出す新たな規制の下に納税者と企業を埋没させている。最新分析によると、これは米国経済に3090億ドル以上の損失をもたらし、インフレを悪化させている。

 トランプ前政権下の同じ時点では、トランプ前大統領の規制緩和政策が米経済に300万ドル以上の負担軽減をもたらしたという。

 バイデン政権はこれに対し、11月4日までに450の新たな規制を出し、企業に約1億9700万時間の事務処理を強いたことが、右派の経済シンクタンク「米国行動フォーラム」の研究結果で明らかになった。

 「何かにコストを加える時はいつも、インフレ環境下では特にコストは増加し続ける」。同フォーラムの規制政策担当部長のダン・ボッシュ氏はこう語った。「一部の規制は節約になるが、大半はインフレにつながるコストになる」

 ホワイトハウスにコメントを要請したが、応じなかった。

 オバマ政権の同じ時点では、連邦規制当局は647の規則を出して約2050億ドルの損失をもたらし、企業には約8700万時間の事務処理を強いた。

 しかし、研究結果によると、その2年後のトランプ政権では、規制負担軽減につながる504の規則を施行したことで、米経済に340万ドルの負担軽減をもたらし、企業に強いた事務処理は51万8940時間にとどまった。

 連邦政府機関がひっそりと出す大量の規制は、企業がすでに約40年ぶりの高いインフレで圧迫されている時に現れたものだ。

 このような行政命令に従うためのコストは、消費者に転嫁される。米商工会議所の研究では、連邦規制に従うために米国民が負う総コストは、メキシコの国内総生産を上回る1兆8000億ドル以上に上ると推定されている。

 バイデン政権の新たな規制の一部は中間選挙の数日前に実施された。11月の最初の4日間だけで、約10億ドルの負担をもたらす新たな10の規制が施行された。

 これらの規制のうち、最もコストがかかるのは、気候変動の要因といわれているハイドロフルオロカーボンを段階的に廃止する環境保護局(EPA)の計画だ。EPAと米国行動フォーラムのデータによると、この規制は7億4000万ドルの経済損失を出す一方、気候変動への恩恵は1億2500万ドルにすぎないと予想されている。

 11月の一連の規制について、ボッシュ氏は「これはある意味珍しい」と指摘。「1週間で10億ドルの規制が課されるのは、ある意味突出しており、注意を引くものだ」

 米国行動フォーラムの研究によると、自動車とトラックにより厳しい汚染基準を課したEPAの昨年の規制は、これまで提案された中で最もコストがかかる規制だという。同フォーラムは、この規制によって1800億ドルの経済損失をもたらすと見積もっている。

 バイデン氏の規制は、ビジネスを変革し、反競争的な商習慣と見なされるものを終わらせる計画の一環だ。バイデン氏は、規制がなければ、企業は競争を阻害し、価格を引き上げ、消費者の選択肢を制限することができると主張している。規制はまた、労働者により高い賃金と流動性を要求する力を与えることにつながるとしている。

 それでも、トランプ氏が規制緩和で企業に投資と雇用の自信を与えたと誇っていただけに、過剰な規則強化は企業に衝撃を与えている。トランプ氏は「2対1」ルールを設け、新たな規制を一つ課すごとに二つの規制撤廃を義務付けた。

 企業競争研究所の研究によると、トランプ氏は最終的に、新たな規制一つに対して3.2の規制を撤廃したことが分かった。

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