社説


バイデン氏の無策と中国の悪意

(2023年8月12日)
 中国の米国に対する影に隠れた敵意は見逃せない。しかしバイデン大統領は、あたかもこのアジアの巨人が、『アメリカン・ニンジャ・ウォリアー』(日本のテレビ番組『SASUKE』の米国版)に出てくる俊敏なライバルの地政学版にすぎないかのように振る舞っている。
 バイデン氏が中国の意図をより明確に把握しない限り、米国は後れを取ることになりかねない。 →続き

でっち上げられた罪状

(2023年8月5日)
 ワシントンに偶然はない。バイデン大統領が息子ハンター氏による外国企業にアクセスを与える見返りに金銭を求める事業に関与していたことを主要な目撃者が証言した翌日、司法省の特別検察官ジャック・スミス氏は、ドナルド・トランプ前大統領が辛うじて5%の票を得た同市での起訴を決定した。
 注意をそらすものとしては、これは強力なものだ。 →続き

ネット・ゼロの幻想を暴く

(2023年7月29日)
 世界で最も繁栄している国々のエネルギー相たちは、先週のG20会合で、石油、天然ガス、石炭の即時廃止を価値のある目標とは認めなかった。このことは、従来のエネルギー源を風車やソーラーパネルに置き換えることで二酸化炭素排出量を「可能な限りゼロに近づける」という「ネット・ゼロ」計画を推進してきた活動家たちを失望させた。
 単純な事実として、石油、天然ガス、石炭が地球上のエネルギーの80%以上を供給している。将来のある日に、世界は魔法のように別のエネルギー源にシフトできると主張する人々がいる一方で、最近の二つの研究は、こうした目標が可能かどうか、ましてや望ましいかどうかに疑問を投げ掛けている。 →続き

第3の党の熱狂

(2023年7月22日)
 世論調査では、有権者は2024年にバイデン大統領とドナルド・トランプ前大統領の再戦を望んでいないことが繰り返し示されている。
 共和党は正式な予備選を経て候補者を決定する。民主党の有権者には同様の選択肢はない。ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏やマリアンヌ・ウィリアムソン氏がバイデン氏の立候補に挑戦しているにもかかわらず、民主党エスタブリッシュメントは討論会や開かれた予備選の手続きを排除し、バイデン氏を候補者として認定することを選択したのだ。 →続き

多くの命を奪う国境危機

(2023年7月13日)
 毎日6500件以上の不法越境があり、バイデン大統領の国境危機に現体制は対応し切れていない。新しいデータによれば、5月に不法に米国とメキシコの国境を越えようとして逮捕された移民は20万4561人であり、ホワイトハウスの「不法な国境越えは激減した」という主張とは完全に矛盾している。
 5月の不法入国者数は、過去22年間で2番目に多い。この現状を否定することは不可能だ。 →続き

コロナ発生源、判断に消極的な情報機関

(2023年7月5日)
 何百万人もの犠牲者を出した新型コロナウイルスの発生源は、米国民が納得するほど解明されていない。しかし、米国の情報機関は、最も可能性の高い原因について詳しく調べようとせず、ただ見ているだけだ。
 決定的な説明がないのだから、もっともらしい説明を探さざるを得ない。新型コロナは実験で作られ、武漢ウイルス研究所(WIV)から流出した可能性がある。中国が責任を取ろうとしない以上、米国は慎重を期して、中国から距離を置くべきだ。 →続き

バイデン政権の「イラン核合意」

(2023年6月28日)
 外交官の仕事は、交渉し、歩み寄ることであり、論争することもある。正式な対面外交が失敗した場合、別の手段で交渉し、歩み寄り、論争する。
 いわゆるイラン核合意を復活させようという取り組みは実を結ばなかったが、バイデン大統領の交渉チームは、非公式かつ間接的にイランとの交渉を続けているようだ。 →続き