9・11「決して忘れない」を忘れたバイデン氏
By THE WASHINGTON TIMES – – Thursday, September 9, 2021
ANALYSIS/OPINION:2001年9月11日の壊滅的テロ攻撃以来、「決して忘れない」は、国を愛する米国人の合言葉だ。
しかし、バイデン大統領はこれを忘れている。
政治的打算から生まれた意図的結果を狙ったものか、加齢に伴う衰えによるものかはさておき、バイデン氏は、あの運命の日に、犠牲者らに罪無くして投げ付けられた残酷な仕打ちへの償いをさせるために流された血、汗、涙の20年を一瞬にして無駄にしてしまった。私たちは、9・11も、彼の冷酷な裏切りも、決して忘れない。
バイデン氏は唐突なアフガニスタン撤収で、運命を逆転させ、米国史の中で最も悲惨な事態を招いた。その余波は巨大だ。米軍がかつて、あっという間に蹴散らしたタリバンが今や、アフガンのすべての州にその旗を翻している。そして、バイデン氏の二枚舌は、9・11・20周年を厳粛に守ろうとするすべての人に共通する礼儀正しさを欠いてさえいた。
政権の反米国主義的性格に目をつぶっているのか、その目指すところを気に掛けていないのかはさておき、バイデン氏は、遠方の土地で、われわれの敵性勢力が動き回っている間に、「私たちこそが(期待された)国民」だと自負する人々を国家の最も危険な敵と強く主張したのだ。バイデン氏は「間違えてはいけない――テロの脅威は、2001年以来、アフガン以外にまで及んでおり、どこからやって来ようと、米国への脅威に対して警戒を怠ってはならない」と、今年初めの議会合同会議で語っていた。
「アルカイダと過激派組織『イスラム国』(IS)は、アフリカと中東のイエメン、シリア、ソマリア、その他の多くの場所にいる」「わが国の情報機関の判断を無視してはならない――今日、本土にとって最も重大な脅威は、白人至上主義者のテロからのものだ」と彼は言った。
十分に警護されている大統領でさえ、今でも彼の選挙の正当性について疑問を抱いているかなり多くの米国人に明らかに恐怖を感じている。そういう人たちの一部が、1月6日に連邦議会で事件を起こし、1人の非武装の女性退役空軍軍人が警官に撃たれて死亡した。もっとも、彼の仲間の市民らは、バイデン氏より、もっと多くの恐れを抱いている。大急ぎでアフガンから撤収するようにという彼の理解し難い命令によって、彼らは敵の陣地に置かれたまま、まな板のコイにされたのだ。とんでもないことだ、われわれは絶対に忘れない。
ブリンケン国務長官さえ、タリバンは交渉と米ドルで和解可能だと米国人を安心させようとしている。アンソニー・ファウチ博士が2020年初頭に新型コロナは心配に当たらないと表明した自信ぶりを思い出すと、私たちは納得がいかない。
統合参謀本部議長のマーク・ミリー将軍は、来年中にアフガンで内戦が起きる可能性があると警告している。米国が支援してきた脆弱(ぜいじゃく)な民主主義体制は、間違いなく、米国の心臓部にジェット旅客機を突入させたイスラム・テロのメッカへと後戻りしようとしている。
ニューヨーク市のグラウンド・ゼロ(同時多発テロによって破壊されたワールド・トレード・センタービルの跡地)、ワシントンの国防総省、ペンシルベニア州のシャンクスビル(ユナイテッド航空93便の墜落現場)の追悼会へのバイデン氏の出席計画は、2001年9月11日の3000人近い犠牲者の記憶を汚すものである。彼は、米国の最も許し難い敵に手を貸したよこしまな人間と組んでいることになるからだ。
バイデン大統領は、「決して忘れない」を忘れているかもしれないが、私たちは忘れない。