米軍、新たな脅威への対抗で苦戦―シンクタンク報告

(2021年10月23日)

2011年5月13日、ドイツ・ヴィースバーデンの米陸軍飛行場で行われた第一装甲師団のカラーケーシングセレモニーに出席する1ADの兵士たち(AP Photo/Michael Probst, File)

By Mike Glenn – The Washington Times – Wednesday, October 20, 2021

 

 米軍は、与えられた仕事をこなすには規模が小さ過ぎるし、20年にわたるイラクやアフガニスタンでの戦闘で消耗した装備が負担になっている。

 

 米軍は、単一の大規模な地域紛争の要求には恐らく応えられるが、複合的な敵との多面的な戦争を戦うのは難しい。

 

 これは、ヘリテージ財団が毎年発表している、米国の軍隊の強さに関する最新の包括的レビューの結論だ。約600ページに及ぶ「2022年米軍事力指数」は、中国やロシアなどの攻撃的な敵対国が急速に軍備を増強している中、米軍の現状を明確に分析している。

 

 今回の報告は、バイデン大統領が1月に就任して以来、初めての米国の軍事力の評価であり、バイデン氏が引き継いだ軍は、厳しい評価を受けている。

 

 報告は、「現在の態勢のままでは、米軍は米国の重要な国益を守るための要求を満たすことができない」とした上で、誤った方向に向かっている部門も多いと結論付けている。

 

 保守系シンクタンクのヘリテージ財団によるこの調査では、空軍と新設された宇宙軍全体の即応態勢と能力は「弱い」と評価されている。陸軍は「最低限」、海軍は「最低限から弱い」、海兵隊と核抑止力だけが「強い」と評価されている。

 

 ヘリテージ財団の国防プログラム担当上級研究員で、年次軍事力指数の編集者でもあるダコタ・ウッド氏は「脅威は強いと考えている。競合国はこれらの能力増強に注力しているが、米国は複数の重要な分野で後れを取っている」と述べている。

 

 「遅れを取り戻すには、もっと予算が必要だ」

 

 ヘリテージ財団国防センターのディレクター、トム・スポアー元陸軍中将は、「米軍は老朽化しているが、近代化していない」と指摘、「米軍のハードパワーの低下は、自国を攻撃から守り、海外で自国の利益を守る能力を脅かしている」と述べた。

 

 陸軍が「最低限」と評価されたのは、「大国」を目指す中国やロシアなどの伝統的な競合国に立ち向かうための軍の再構築で、老朽化した装備が近代化に追い付いていないためだ。

 

 だが、悪いことばかりではない。ヘリテージ財団のアナリストによると、米軍は、必要とされる規模よりも約40%小さいが、陸軍の31の活動中の旅団戦闘チームのうち18チームは、最高の即応態勢にある。

 

 元海兵隊中佐のウッド氏は、「陸軍は何をすべきか分かっているが、そのために必要な予算を獲得することに苦労している」と述べた。

 

 下院軍事委員会の共和党トップであるマイク・ロジャース議員(アラバマ州)は、20年間にわたるアフガンでの戦闘任務が不名誉な形で終了し、国防総省が動揺している今、軍事力指数の発表は絶好のタイミングだと述べた。

 

 ロジャース氏は、「8月にアフガンで見たものは悲惨だった。この政権の文民指導部が下した決定は、13人の軍人を死に至らしめた。バイデン大統領は、この災難について何の責任も取らず、誰にも責任を負わせていない」と主張した。

2026年6月30日、マサチューセッツ州ローウェルの野球場と住宅街を見下ろすように、マークリー・グループが建設したデータセンターがそびえ立っている。(AP通信/マット・オブライエン撮影)

中国ボットがデータセンター建設反対へ影響工作 Xが指摘

(2026年09月02日)
米海軍作戦部長のダリル・コードル提督は、2025年11月17日、東京訪問中に選ばれた記者団と会見した。(AP通信/マリ・ヤマグチ撮影)

海軍作戦部長、中東への戦力移動は中国抑止に影響

(2026年08月30日)
8月18日に撮影されたこのヴァントール衛星画像は、ヤゴン礁を捉えたもので、アナリストらは、約9マイル離れたアンテロープ礁における人民解放軍の軍事作戦を支援する可能性のある、中国の早期警戒レーダーの開発を示していると指摘している。(画像提供:衛星画像 ©2026 Vantor)

中国、西沙諸島に新たな軍事基地 米が強く非難

(2026年08月28日)
陸軍が重要な任務にロボットや自律システムを活用する際に、どのような考え方が適切でしょうか?(写真提供:TSViPhoto、Shutterstock経由)

国防総省の「AIファースト」に障壁 専門家が警告

(2026年08月26日)
NASAが提供した映像からのこの画像は、2026年4月6日(月)、アルテミスIIミッションの宇宙飛行士たちが人類史上地球から最も遠い距離に到達した後、オリオン宇宙船の外部カメラから撮影された月の様子を捉えたものです。(NASA提供、AP通信経由)

トランプ氏、宇宙開発で新指針 年間1000機打ち上げ目指す

(2026年08月25日)
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(右)は、2026年8月13日(木)、千島列島最大の島である択禄島のクリリスクにある、ロシア英雄エドゥアルド・ノルポロフ記念中学校を訪問した。(ガヴリール・グリゴロフ、スプートニク、クレムリン・プール写真、AP通信経由)

ロシア、北方領土近くでミサイル試射 日本の対中防衛重視に影響も

(2026年08月24日)
2019年10月2日に低速シャッタースピードで撮影され、米空軍が提供したこの画像は、カリフォルニア州ヴァンデンバーグ空軍基地で行われた非武装のミニットマン3大陸間弾道ミサイルの発射実験の様子を示している。スウェーデンのシンクタンクは2024年6月17日(月)、世界の核保有国9カ国は核兵器の近代化を続け、2023年には核抑止力への依存度をさらに高めるだろうと述べた。(JTアームストロング軍曹/米空軍提供、AP通信経由)

国防総省、中露の脅威受け核指針を見直し 抑止力を強化へ

(2026年08月22日)
2026年1月30日(金)、東京南部の海上自衛隊横須賀地区本部で、小泉進次郎防衛大臣が韓国の安徽博防衛大臣と会談後、報道陣の取材に応じた。(AP通信/ユージン・ホシコ撮影、資料写真)

太平洋諸国が連携強化 小泉防衛相が豪訪問、米は警戒

(2026年08月19日)
2019年7月15日、ワシントンD.C.のホワイトハウス南庭で行われた「メイド・イン・アメリカ」展示会で、高高度防衛ミサイル防衛システム(THAAD)が展示された。(AP通信/アレックス・ブランドン撮影)

米陸軍司令官「技術革新は戦闘の一部」 ウクライナとイランから教訓

(2026年08月18日)
2025年2月18日、スカボロー礁上空で、中国軍のヘリコプターがフィリピン水産局(BFAR)の航空機に接近飛行している。(AP通信/ジョエル・カルピタン撮影)

中国、南シナ海で支配強化 米国務省が「安定損なう」と異例の非難

(2026年08月16日)
→その他のニュース