本紙独占:120万人の不法移民が国境監視網を抜けた可能性あり-国境警備隊関係者
By Stephen Dinan – The Washington Times – Friday, November 5, 2021
国境警備隊員の組合幹部の一人によると、昨年一年間に120万人近い不法移民が監視網を抜けて、米国に入り込んだ可能性があるという。さらに一部の移民の一人ひとりに45万ドル支給される計画があることを耳にすれば、不法入国の数はさらに増える、と語った。
この情報は、マーシャ・ブラックバーン上院議員(共和党、テネシー州)が金曜日に開設したポッドキャストに掲載され、その事実はワシントンタイムズに最初に知らされたものだ。
国境警備協議会のリオグランデ渓谷支部の副会長で、同全国組織の報道担当を務めるクリス・カブレラ氏は、公開の数字では40万人が「逃亡済み」となっているが、目下の国境の現状を考えれば、それは途方もない過小評価だという。
「直面している現状では、そんなに少ない人数であるはずはあり得ない。その三倍、もしくは少なくても二倍の人数のはずだ。極めて多くの逃亡済み者がいるはずだ」、カブレラ副会長は、ブラックバーン女史の「マーシャと一緒に声を出そう!」と命名されたポッドキャストに語っている。
ブラックバーン議員は、国境での最新情勢を検討し、特にトランプ政権下で家族が分離されたケースへの補償として、一部の不法移民に45万ドルずつ支払う可能性をバイデン政権が検討しているとの報道によって、さらに多くの人が国境越えを試みることを懸念している。
「国境で家族が一時的にせよ別れ別れにさせられた人々に、バイデン政権が審査の上で、一人当たり45万ドルを支払うかもしれない、という話が広まっている。これは恐らく逆効果になるだろう」とブラックバーン上院議員は指摘した。
バイデン大統領は今週、補償支払いの報道は「ガセネタだ!」と言った。しかしカブレラ副会長に言わせれば、その支払いが本当に実施されるか否かは問題ではない、と指摘する。
「その話は世間に広まり、人々が耳にしているので、米国の国境に来れば何かの報酬を得られると解釈し、多くの人々を触発していることは間違いない」。カブレラ氏は付け加えて、密輸業者がもっとたくさんの人を募るためのマーケティング戦略に、この報道を利用するはずだ、と嘆いた。
9月30日に終わった2021会計年度内に、米国南部の国境沿いで約170万人が拘束され、逮捕記録を更新した。その大半はメキシコに追い返された。しかし約50万人が拘束後に釈放されたか、別の連邦機関に送致されて、即時の国外追放の対象にならなかった。
そうした人たちのほかにも、拘束されなかった移民がいる。国境の法執行当局は、国境越えが発覚したが逮捕までに至らなかった人の数を推定しており、それが今問題の「40万人」という数字だ。
しかしそれ以外に、国土安全保障省の網の目に引っかからなかった人々もいて、カブレラ副会長はその数が、公式の数値をはるかに上回った可能性が高い、と指摘した。
公式の数字の2?3倍、というカブレラ氏の数字が正しいと仮定すれば、合計80万人から120万人が国境の監視網を潜り抜けたことを意味する。
その推測を裏付けると思われる根拠がある。国勢調査局の「最新人口調査」データを活用して移民研究センターが今週出したレポートでは、2020年9月から今年9月までに、外国生まれで米国に居住している人の数が160万人も急増したことを確認している。
同センターの人口学者スティーブン・A.カマロタ氏によると、人口調査では月毎の変動が大きく、もっと多くのデータが必要だ。それでも「この劇的な」増加は、バイデン政権になってから国境で移民が急増し、政府が合法的移民に門戸を広げようとしている動きを反映している。
カブレラ氏も言う、国境で起こっている事態を想定すれば、「合法的入国よりも違法入国の方がはるかに容易なのだから、多くの人々が違法手段を利用するようになるだろう。