息子を射殺された母親、犯人を保釈させた非営利団体を非難

(2022年1月16日)

2020年1月24日(金)、オクラホマシティ大学ロースクールで開催された刑事司法会議で講演するThe Bail ProjectのCEO、Robin Steinberg氏。(Chris Landsberger/The Oklahoman via AP)

By Emily Zantow – The Washington Times – Monday, January 10, 2022

 ニッキー・スターリングさんは昨年10月、24歳の息子ディランさんがインディアナポリスで友人のために麻薬取引に介入しようとした際に射殺されたことを知り、胸が引き裂かれた。

 スターリングさんの悲しみが苛(いら)立ちと怒りに変わったのは、息子を殺害した被告の男が昨年、刑務所から釈放されていたことを知った時だ。5650㌦の保釈金の一部は、社会・人種的不平等への対応に取り組む非営利団体から支払われた。男は薬物絡みの重罪で収監され、他にも係争中の事件で三つの重罪に問われていた。

 それ以来、スターリングさんは、息子を射殺した被告の男の釈放を支援したカリフォルニア州の慈善団体「保釈プロジェクト」などの団体に対する監視と規制の強化を求める代表的な声となった。

 近年、犯罪に厳しい検察や政策に対する反発から、全米でこのような団体が誕生している。現在、アリゾナ州に住むスターリングさんは、これらの団体は危険な犯罪の被告人をあまりにも早く支援していると指摘する。

 「保釈プロジェクトには説明責任がない。いったん釈放されると、その後は監視の目がない」。スターリングさんは、ワシントン・タイムズにこう語った。

 「私が取り組んでいるのは、このような組織が存在し、彼らが路上に連れ戻しているのは、すでに暴力犯罪で逮捕された人たちであることを世間に知らせることだ」

 保釈プロジェクトや、「ミネソタ自由基金」「マサチューセッツ保釈基金」などの類似団体は、刑事司法制度を「回転ドア」にしていると批判されている。

 ミネソタ自由基金は、2020年に当時のカマラ・ハリス上院議員のツイートで大々的に宣伝された団体で、家庭内暴力をしたジョージ・ハワード被告に1500㌦の保釈金支払いを支援し、世間の反感を買った。保釈中の同被告は同年8月に起きたロードレイジ(車を運転中に激怒すること)発砲事件に関連し、殺人罪で逮捕・起訴された。

 同じ月、マサチューセッツ保釈基金は、強姦(ごうかん)の容疑で収監されていた性犯罪者ショーン・マクリントン被告に1万5000㌦の保釈金を出したことで世間の注目を浴びた。同被告は保釈後、ボストンで再び逮捕され、新たな性的暴行事件で起訴された。

 保釈プロジェクトは、18年に公選弁護人で社会正義活動家のロビン・スタインバーグ氏によって立ち上げられた。カリフォルニア州パサデナを拠点とするこの非営利団体は、ウェブサイトによると18州で活動しており、「投獄を防ぎ、保釈制度における人種的・経済的格差と闘う」ことを目的にしている。

 同団体の法律・政策担当全米ディレクターによると、被告を支援するかどうかの判断は、さまざまな要素を含むという。

 「例えば、薬物治療や精神カウンセリングなど、その人のニーズを聞くことで、必要に応じてリソースに彼らをつなぐことができる」と、トゥイラ・カーター氏はワシントン・タイムズに語った。「われわれはまた、その人が裁判所に出廷することを保証するために、個別の支援計画を作成している」

 スターリングさんは、同団体は被告の刑事責任をもっと重視すべきだと主張する。

 裁判所の文書によると、スターリングさんの息子、ディラン・マクギニスさんを殺害したトラビス・ラング被告は、昨年1月にコカイン所持の重罪で収監され、他にも強盗、住居侵入、警官への抵抗に関する係争中の事件で三つの重罪に問われていた。

 それでも、ラング被告は保釈プロジェクトの支援によって釈放されていた。

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