トランスジェンダーの権利拡大で脅かされる女性刑務所の安全

(2022年2月20日)

2016年11月18日(金)、イリノイ州リンカーンにあるローガン矯正センターの管理棟に降り注ぐ雨。(AP Photo/Seth Perlman, FILE)

By Valerie Richardson – The Washington Times – Wednesday, February 16, 2022

 これまで以上に多くのトランスジェンダーの受刑者が女性刑務所に入るようになっている。これは性自認運動にとっては勝利だが、新しくやって来た受刑者と生活空間の共有を強いられる女性受刑者たちにとっては必ずしもそうではない。

 イリノイ州のローガン女性矯正センターへの移送を勝ち取った殺人犯のジャニア・モンロー(元アンドレ・パターソン)受刑者を例に挙げよう。2019年の訴状によると、同受刑者は男性刑務所で長年、嫌がらせや身体的暴行、性的虐待を受けていた。

 移送後すぐに、モンロー受刑者はホルモン療法を止め、他の受刑者を脅し、性的に活発になったと、刑務所の精神科医は証言した。別の受刑者はモンロー受刑者がレイプしたと訴えた。モンロー受刑者の弁護士は、これらの非難は 「彼女をローガン女性矯正センターから追い出すためのキャンペーンの一環」だと主張した。

 トランスジェンダーの安全をめぐる懸念が、性自認に基づいて刑務所の収容先を決める法律や政策、訴訟に拍車を掛けている。だが、女性受刑者を擁護する活動家たちは、そうした措置はある脆弱(ぜいじゃく)な人々の福祉を別の人々と交換するだけだと主張している。

 「当事者である女性たちへの配慮が全くない。この全体の中で、女性たちは完全にささいな存在でしかない」。こう訴えるのは、男女別刑務所を支持するフェミニスト団体「女性解放戦線」の法務責任者ローレン・アダムズ氏だ。

 ネットフリックスシリーズ「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」の視聴者なら知っているが、ラバーン・コックス氏が演じるソフィアのようなトランスジェンダーの受刑者が女性刑務所にいることは、新しいことではない。03年の「刑務所レイプ撲滅法」では、トランスジェンダーが危険因子とされ、ケース・バイ・ケースで限定的な移送の道が開かれた。

 しかし、最近の流れでは、このような刑務所配置は例外ではなく、むしろルールとなるだろう。

 連邦刑務所にいる囚人15万6000人のうち1277人がトランスジェンダーだ。英国を拠点に置く非営利団体「男女別刑務所を守れ」が掲載した昨年12月の司法省データによると、このうち916人が女性と自認する生物学的男性だという。

 バイデン米大統領は19年の選挙戦で、「刑務所における性的アイデンティティーの判断は、実際に刑務所がどう言うかではなく、本人がどう言うかによってなされるべきだ」と明言した。

 バイデン政権が性自認に基づいて受刑者を配置する大統領令を検討しているという報道を受け、共和党のトム・コットン上院議員(アーカンソー州選出)は先月、連邦刑務局に対し「受刑者を異性の者と一緒に収容する」ことを禁ずる法案を提出した。

 下院が21年2月に可決した「平等法案」について、アダムズ氏は「連邦・州の施設、地方刑務所、あらゆる場所でこれを標準化するものだ。だから、非常に憂慮している」と語った。

 民主党が主導する州は、すでに行動を起こしている。メーン州のジャネット・ミルズ知事は昨年、州刑務所に「本人の性自認に合わせて」受刑者を収容することを義務付ける法案に署名した。同様の法案は、18年にコネティカット州、20年にカリフォルニア州で可決された。

 最前線はメリーランド州だ。下院法案453は、トランスジェンダー、ノンバイナリー、インターセックスと自認する受刑者を「本人の希望に基づいて男性または女性用」の施設に収容するよう治安・矯正サービス局に義務付けるものだ。

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