バイデン氏の一般教書演説への反応で民主党の分裂露呈

(2022年3月8日)

2022年3月1日(火)朝、ワシントンの米国連邦議会議事堂。ジョー・バイデン大統領は、国家にとって崖っぷちの時に、初めての一般教書演説を行う。バイデンは、国をパンデミックから導き出し、停滞している国内課題を再起動させ、ロシアの侵略に立ち向かうことを目指してる。(AP写真/Mariam Zuhaib)

By Haris Alic – The Washington Times – Tuesday, March 1, 2022

 民主党の内紛が表面化した。バイデン大統領が1日、一般教書演説を行い、その後に民主党の少なくとも3人の議員が演説を行う。

 党内の穏健派と進歩派の議員ら、さらに中核的な有権者である黒人を代表する1人の議員からの反対の発言が相次いだ。

 民主党の戦略家、コリン・ストローサー氏は「虚栄心の力は強い。党内の一部の人々は、マイクを握りたくてしょうがないようだ。彼らは党のためになることを何一つ考えていない」と述べた。

 演説した議員らは、これは、国内政策と外交政策で新たな課題に直面しているこの国のためのビジョンを打ち出す好機だと主張している。

 ラシダ・タリーブ下院議員は、極左の労働家族党を代表してバイデン氏の教書演説に進歩的な反応を示し、「私の演説は、国民のために、バイデン大統領と、彼の政策『ビルド・バック・ベター(より良い再建)』を支持するためのものだ。メディアのことなど気にせず、大統領と議会と協力するため、私たちが住民に向けて発するビジョンを聞いてほしい」と述べた。

 政治戦略家らは、矛盾する発言は、中間選挙に向けて政府としての指針を提示することを意図したバイデン氏の演説の影響を薄める可能性があると述べている。

 ストローサー氏は「現実には、多くの民主党員がこの政権に不満を抱いているが、この二つを混同してはならない。今夜は大統領のための時間であって、立法に何の貢献もしていない党内の下級議員の不満をぶちまける場ではない」と述べた。

 また、特にバイデン氏は国内ではインフレ、海外ではロシアの侵攻という問題に取り組んでおり、ここで反論することは、民主党のリーダーとしてバイデン氏への侮辱だという主張もある。

 民主党全国委員会(DNC)の元副委員長のファイルモン・ベラ下院議員(テキサス州)は、「危機的状況にあり、われわれは皆、大統領を支援すべきだ」と訴えた。

 タリーブ氏や、ジョシュ・ゴットハイマー下院議員(民主、ニュージャージー州)やコリン・オールレッド下院議員(民主、テキサス州)ら登壇者は、党内対立を煽るつもりはないと主張。むしろ、バイデン氏の演説を補完することを目指していると述べている。

 オールレッド氏は、「連邦議会黒人幹部会(CBC)を代表して、一般教書演説に対する初めての反応を求められ、大統領と協力して成し遂げたことや、米国民のために私たちが共有するビジョンについて話すことができて光栄だ」と述べた。

 ゴットハイマー氏のスタッフによると、ゴットハイマー氏はバイデン氏の演説に対して公式な反応を出していない。その代わり、ゴットハイマー氏は中道派の団体「ノー・ラベルズ」が実施するイベントで、今年の議会での超党派の譲歩の可能性について「展望」を述べる予定だという。

 ともに議会問題解決議員連盟の議長を務めるゴットハイマー氏と共和党のブライアン・フィッツパトリック議員(ペンシルベニア州)は、その「展望」を表明する。2人は、「特に犯罪、減税、経済的余裕、新型コロナウイルスをめぐる新たな展開といった中核的な問題についての団結の必要性」について議論する。

 ゴットハイマー氏の報道官は「ジョシュは、反応も反論も出していない。彼は、民主党と共和党が国を前進させるためにどこで協力できるかについて話し合う、あるグループに招待された」と述べた。

 その発言の内容はともかく、ゴットハイマー氏が注目されていることは、バイデン氏が大統領就任からわずか1年で置かれている立場を浮き彫りにしている。

 共和党全国委員会(RNC)の副報道局長であるウィリアム・オグレディ氏は、「ジョー・バイデン氏は国をまとめると約束したのに、自分の党をまとめることに失敗している。バイデン氏は米国で最も有害な政治家であり、今夜、米国民は、民主党が彼の数々のうそから距離を置こうと躍起になるのを見ることになる」と述べた。

 バイデン氏は、ワシントンに超党派主義をもたらすことを期待され、選出されたが、党内の対立はますます強まっている。就任1年目を通して、民主党は税金から投票法案まであらゆることで対立し、大統領の1兆7500億ドルの社会福祉・気候変動法案の敗北で頂点に達した。

 それ以来、民主党は中絶や予算問題で結束を固めるのが困難になっている。インフレ高進、アフガニスタン撤退、ロシアのウクライナ侵攻の中でバイデン氏の支持率は低下し、分裂は悪化する一方だ。

 そのため民主党は、中間選挙に向けて党が統一戦線を示さなければ、政治的な打撃が非常に大きくなると懸念を強めている。

 ストローサー氏は「民主議員らに同じ歌を歌わせようとするよりも、怒った猫たちを飼いならす方がうまくいく」と言う。

猫を飼う女性はハリス氏、犬派はトランプ氏-大統領選調査

(2024年11月12日)

トランプ陣営が次期政権の人選開始 国防長官候補にポンペオ氏の名も

(2024年11月09日)

トランプ氏の地滑り的勝利で政界激変

(2024年11月08日)

中絶反対グループがトランプ氏再選を祝福

(2024年11月07日)

ハリス氏は本当に不法滞在者の投票を望んでいる

(2024年11月04日)

トランプvsハリス 深まるジェンダーギャップ-米大統領選

(2024年11月01日)

トランプ氏、今度はゴミ収集作業員に バイデン氏の「ゴミ」発言を攻撃

(2024年10月31日)

トランプ氏「史上最高の4年間」へNYで大規模集会

(2024年10月30日)

トランプ、ハリス両氏、海外での米国の役割巡り対立

(2024年10月28日)

トランプ陣営、最後の追い込み

(2024年10月27日)
→その他のニュース