宇宙での中露の脅威警告 米報告

(2022年4月17日)

北京で行われた共産中国建国70周年記念パレードで、弾道ミサイルDF-17を積んだ中国軍の車両(2019年10月1日撮影)。ロイド・オースティン米国防長官は2021年12月2日(木)、中国が極超音速兵器を追求していることについて「地域の緊張を高める」と述べ、米国は中国がもたらす潜在的脅威を抑止する能力を維持すると宣言した。(AP写真/Ng Han Guan、ファイル)

By Bill Gertz – The Washington Times – Tuesday, April 12, 2022

紛争時 戦闘員に破滅的影響

 米国防情報局(DIA)は最新の報告で、中国、ロシアなどが宇宙領域での攻撃能力を高めていると指摘、中でも中国が昨年夏に実施した極超音速滑空飛翔体は大きな脅威になると警告した。

 DIAのベリエ局長は12日、報告「宇宙での安全保障への挑戦」の公表に際し、「敵国は、30年以上にわたって宇宙ベースのシステムに支えられた米軍の活動を見てきた。現在、その能力を拡張し、宇宙での米国の優位を崩そうとしている」と中露が宇宙兵器の増強に注力し、米国の脅威になろうとしていると強調。「宇宙ベースの通信、航行支援能力が失われれば、紛争時の戦闘員に破滅的な影響が及ぶ」と、宇宙領域での米露との戦闘に備える必要性を指摘した。

 中国は昨年7月、極超音速ミサイルの試験発射を実施した。ミリー米統合参謀本部議長は、旧ソ連が打ち上げた世界初の人工衛星を例に挙げ「スプートニクの衝撃に近い」と述べ、今後、米国にとって大きな脅威となる可能性があるとの見方を示した。

 試射では、大陸間弾道弾(ICBM)に高速飛行可能で、誘導可能な極超音速滑空飛翔体が搭載されていたとみられている。飛行ルートは部分軌道と呼ばれ、地球の周回軌道上から標的へと滑空する。時速約4万㌔で飛行した後、大気圏に再突入し、地上の目標に命中した。飛行時間は100分以上に達し、報告は「中国の対地攻撃兵器としては飛行距離、飛行時間ともに最長」としている。

 また中国は、2006年から宇宙ベースの兵器の開発を進め、人工衛星をとらえるセンサー、地上発射の衛星破壊ミサイル、人工衛星を補足、破壊できるロボット衛星、レーザー・電子・サイバー戦兵器などの開発にも取り組んでいる。

 報告によると、中露の官民の人工衛星は19年~21年に70%増加した。

 ロシアは昨年11月、衛星破壊兵器「ヌードリ」の試験発射を実施した。報告は、この試射で1500個以上の大きな宇宙ゴミ(デブリ)、何万個もの「非常に危険だが、追跡不可のデブリ」が発生したと指摘している。

 ロシアはまた、地上配備のレーザー銃を保有しており、周回軌道上の衛星を破壊可能とされている。プーチン大統領が「新しいタイプの戦略兵器」と呼ぶレーザー兵器「ペレスベット」もそのうちの一つだ。

 さらにロシアは、衛星に接近し、爆発物を発射するなどして衛星を破壊できるロボット衛星も保有している。19年11月に打ち上げられたロボット衛星は、「運用に危険が及ぶ可能性のある距離にまで」米軍の衛星に接近したと報告は指摘した。

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