地下鉄発砲事件は法執行の分水嶺

(2022年4月21日)

2022年4月12日(火)、ニューヨーク市ブルックリン区の地下鉄駅の入り口に集まる救急隊員たち。ニューヨークの地下鉄の駅で火曜日、朝のラッシュアワーの襲撃で複数の人が撃たれ負傷し、負傷した通勤客が駅のホームで血を流している。(AP Photo/John Minchillo)

By Editorial Board – The Washington Times – Thursday, April 14, 2022

 みんなに伝えてほしい――ニューヨーク市は、犯罪が蔓延(まんえん)しており、悪化の一途をたどっている。人々は地下鉄のホームから追い出され、盗難は激しくなり、商店は炎上し、何も知らない傍観者が突然、暴行を受けている。しかし、29人を負傷させた――そのうち10人が銃で撃たれた――火曜日にブルックリンで起きた地下鉄の発砲事件は、犯罪が増加し、恐怖の瀬戸際に置かれている都市が悲劇的で恐ろしい限界点に達していることを示している。

 3月4日に発表された統計によると、ニューヨークの犯罪は、昨年の同時期から60%もの驚異的増加を示している。大掛かりな窃盗は79%、強盗は56%、重罪の暴行は22%増加した。自動車の盗難は2倍以上になった。

 「私たちは、今や、別世界の時代圏に置かれている。これは、急上昇ではない。トレンドというものでもない。目下、犯罪急増の波に乗せられている」と、ニューヨーク市警のロバート・ボイス刑事部長は先月、地元のABCニュースの関連会社に語った。ボイス氏は逮捕を多数こなしたことで、警察を称賛したが、犯罪を過少評価したとして検察官らを非難した。

 「彼らは犯罪を軽罪に格下げし、釈放している。軽罪の保釈改革法の下では、誰も拘束することはできないからだ」と彼は言った。

 ニューヨーク市の最近のスポットライトの多くは、キングス郡ブルックリンから川を越えた所にある隣のマンハッタン区で新たに選出されたアルビン・ブラッグ氏(マンハッタン地区検察初の黒人地方検事)に当てられている。ニューヨーク市警のビル・ブラットン本部長は1月、ブラッグ氏が選挙で勝てたのは投資家ジョージ・ソロス氏の力によるものだとしながら、ブラッグ氏は「警察に手錠を掛けている」と述べ、ソロス氏は「実際、米国の刑事司法制度を破壊した」と付け加えた。

 ブラッグ氏が就任した新年のわずか数日後、ブラットン氏はブラッグ氏の方針を「災難のレシピ」と要約し、さらに「ニューヨーク市に関係するほぼすべてを実質的に非犯罪化し、過去の問題に取り組もうとしない」と言った。

 ブラットン氏は、1月3日のスタッフメモの中で要約されていた検察の裁量をめぐるブラッグ氏の変化について言及している。そのメモには検察官に「ダイバージョンまたは投獄への代替手段」を求めること、裁判前の懲役を減らすこと、若者を成人のように裁くことを制限することを指示していた――これは、ブルックリン区のエリック・ゴンザレス地方検事も2017年から実施した方針である――ことが書かれていた。

 ブラッグ氏は就任以来、捜査を行う相当な理由を警察に与えることがある軽微な「割れ窓」的犯罪を起訴することを拒否してきた。

 マンハッタン区の主任検察官は、矯正施設は限られており、「重大な危害を伴う事例に備え、投獄枠を確保しておくことは私たちを安全にする」と主張している。表面上はもっともな点だと聞こえる。しかし、ブラットン氏は警察の手順に対する影響が大きいという理由で反論している。

 ニューヨークは、検察官が進歩的な検察政策を実施している多くの都市の一つにすぎない。過去12年間で、ソロス氏は全米の主要都市で勝利を収めるために、数百万㌦を投じた。

 しかし、そういった区域で犯罪の減少は見られていない。被告の憲法上の権利を守ることが最も重要であり、合理的な刑事司法改革にはメリットがあるが、犠牲者にも権利があり、現時点では無実の人たちのための時間が足りなくなりそうである。

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