中国 生物兵器戦能力を温存か 禁止条約調印も活動開示せず

(2022年5月3日)

北京で行われた共産中国建国70周年記念パレードで、DF-41弾道ミサイルを積んだ軍用車両の中、中国国旗を振る観衆(2019年10月1日撮影)。バイデン大統領のインド太平洋担当トップ国家安全保障アドバイザーによると、中国の軍事力増強はアジア全域に不安を引き起こし、この地域に焦点を当てた米英豪の3者間安全保障協定が最近成立した原動力となった。(AP Photo/Mark Schiefelbein)

By Bill Gertz – The Washington Times – Thursday, April 28, 2022

 中国は1984年に生物兵器禁止条約(BWC)に調印、87年まで生物兵器の開発に取り組んでいたが、その後も条約違反を繰り返し、長年にわたって生物兵器をめぐる活動の全容を開示してこなかった。米国務省のBWC順守に関する年次報告から明らかになった。専門家は、生物兵器戦能力の温存の可能性も指摘している。

 報告は4月下旬に公表され、「中国は軍民両用の活動を続けており、BWC第1条の順守に懸念が生じている」と指摘している。

 さらに、中国がBWCに従って過去の生物兵器を廃棄したかどうか確認できていないと指摘、北京と河南省霊宝市にある生物兵器製造施設の存在を米政府として初めて確認した。霊宝の施設は、新型コロナウイルスが最初に確認された湖北省武漢市に近い。

 報告によると、中国の生物兵器研究は50年に開始された。少なくとも80年代まで続けられ、霊宝の施設は87年に活動を停止しているという。中国はBWCに基づいて89年以降、毎年、報告書を提出しているが、これらの施設については触れていない。

 また、製造された生物兵器が、BWCの規則に従って廃棄、または平和的利用に転用されたことを示す証拠はないという。中国側は昨年、BWCの順守をめぐる米当局者らとの会合を拒否しており、今年2月に再設定されていた会合も拒否。バイデン政権は、生物兵器の廃棄について明確な証拠を示すよう求めている。

 米空軍戦略抑止研究センターのアル・モーロニ所長は、陸軍の軍事専門誌「ミリタリー・レビュー」最新号で、国防総省と国務省は、中国が現在も生物兵器能力を維持している可能性があるとみていると強調、「大国との将来の戦争で生物兵器が使用される可能性があり、重大な脅威だ」と警告している。

 また、中国は生命工学、中でも生物学と工学を組み合わせた合成生物学に予算を投じており、「さまざまな既存、新規の生物兵器」を製造する基盤を築いていると指摘、極秘生物兵器開発計画によって将来、「BWC順守を主張する一方で、特定の個人や施設に集中した、単発、小規模の化学・生物兵器攻撃能力を獲得する可能性がある」と強調している。

 一方で、米国の対応の不備も指摘されている。米軍は現在、生物兵器については暴露するまで検出できず、ワクチンが存在しない兵器も数多くあるという。

 国務省で軍備管理を担当した元高官のトマス・ディナノ、ポーラ・ドゥサッター両氏は昨年、バイデン政権が、昨年のBWC順守をめぐる報告で中国のウイルス研究に関する情報を削除し、条約違反を軽視したと主張、「これによって、中国などの敵国、米国の同盟国に、米国は武漢ウイルス研究所や関連施設で行われていた軍民両用の危険な研究を懸念していないというシグナルを送った」と政権の対応を非難している。

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