「共産主義の害悪」を学校で教える法律が米フロリダ州で成立
By Sean Salai – The Washington Times – Tuesday, May 10, 2022
米フロリダ州の公立学校で「共産主義の害悪」を教えることを義務付ける法律が議論を呼んでいる。反対派は、共産主義国からの移民に対する反発を助長しかねないと主張している。
共和党のロン・デサンティス知事は9日、下院法案395に署名した。この法律は、2023年から毎年11月7日を「共産主義犠牲者の日」として新たに指定し、公立高校で共産主義の残虐さについて少なくとも45分間の指導を行うことを義務付けるものである。
フロリダ州はアラバマ州、ユタ州、バージニア州と共に、トランプ前大統領が2017年から20年まで毎年宣言した(共産主義犠牲者を追悼する)記念日を持つことになる。他の7州でも、これを取り入れる法案が提出されている。
フロリダの新法はまた、共産主義犠牲者の日が「州議会議事堂や知事が指定する他の場所での公的行事によって適切に執り行われる」ことを義務付けている。
マイアミのフリーダムタワーでこの法律に署名したデサンティス氏は、1959年から74年までに数十万人のキューバ難民の入国手続きがこの場所で行われたと語った。
デサンティス氏は自国民を殺害した共産主義指導者として、中国の毛沢東、キューバのフィデル・カストロ、ソ連のヨシフ・スターリンを挙げた。また、ベネズエラの社会主義指導者ニコラス・マドゥロやニカラグアの社会主義政府を批判した。
「マルクス主義思想は死んでいない。共産主義中国のように、彼らは今、多くの場所で人々を抑圧している」と、デサンティス氏は署名式で語った。
「私たちが真実を語るのは、歴史のためだけでない。私たちが今ここで行っていることのためでもあるのだ」と付け加えた。
共産主義中国から移住した経済学者のウェイフェン・ゾン氏は10日、この法律が共産主義国から逃れた米国人を傷つける可能性があると懸念を表明した。「中国やキューバ、北朝鮮などからの移民や難民は、自分たちがかつていた権威主義体制を理解している」と、ゾン氏は電子メールで語った。「彼らは学校の必修科目でそれを学んだわけではない」
ジョージ・メイソン大学の自由市場主義派のメルカトゥスセンターで上級研究員を務めるゾン氏は、この議論は共産主義国に今も住む親族を持つ家族を分断する可能性もあると指摘した。
デサンティス氏の報道官であるクリスティーナ・プショー氏は、この法律はそのようなことをするものではないと否定した。
「知事のコメントと法律自体は、共産主義・社会主義体制が犯した残虐行為に関するものであり、一般のキューバ人や中国人ら、この破滅的な政府形態による無実の犠牲者に関するものではないことは明らかだ」と、プショー氏は電子メールでワシントン・タイムズに語った。
一方、共産主義に詳しい専門家は、この新しい法律を称賛している。
アンドリュー・ブレムバーグ元米国連大使は、「この日を記念することは、被害を受けた人々を追悼するだけでなく、米国の若者が共産主義を理解し、民主主義を評価するよう教育するのに役立つ」と述べた。
ブレムバーグ氏は、来月ワシントンに共産主義犠牲者記念館を開設する予定の非営利団体「共産主義犠牲者追悼財団」の会長・CEOを務めている。
「この重要な指定を行ったデサンティス知事とフロリダ州の議員に拍手を送りたい」。ブレンバーグ氏はワシントン・タイムズ紙への電子メールで、こう付け加えた。