下院民主党、中間選挙を前に「トランス権利章典」を提示
By Valerie Richardson – The Washington Times – Wednesday, June 29, 2022
80人以上の民主党下院議員が、「トランス権利章典」決議案を支持する姿勢を示した。決議案は、性自認に基づく学生スポーツチームへの参加など、連邦政府の包括的差別禁止政策の採択を求めている。
民主党のプラミラ・ジャヤパル下院議員(ワシントン州)は、最高裁が先週、ロー対ウェイド判決を覆す判決を下し、各州で300以上の「反LGBTQ+法案」が提出されており、(心と体の性が一致しない)トランスジェンダーと(性自認が男女どちらでもない)ノンバイナリーの権利のための「包括的枠組み」が必要であると述べた。
決議案の提出者、ジャヤパル氏は声明で、「共和党と急進的な最高裁が、全米のトランスジェンダーの基本的権利を攻撃し、後退させ、全米の州議会が憎悪と偏見に満ちた、トランスジェンダーへの攻撃でトランスジェンダーの人々を標的にする中、私たちは立ち上がって『もう十分だ』と訴えている」と述べている。
下院決議案第1209号の共同提出者は、民主議員85人、共和党は0人。連邦差別禁止法に「性自認と性徴」を加えることと、ロー対ウェイド判決を成文化して「中絶の権利を保障する」ことを要求している。
この決議案のもとでは、トランスジェンダーの学生は、「自分の性自認に沿った」施設の利用やスポーツチームへの参加ができるようになる。また、「性別適合医療やカウンセリングの提供や利用に対する政府の不必要な制限」を撤廃するとしている。
このような主張は、最近成立した、未成年者が性別適合手術を受けることを禁止し、生物学的男性が女子の学生スポーツに参加することを禁止する州法と対立するものだ。
議会LGBTQ+平等議員連盟の議長、デービッド・シシリーン下院議員(民主、ロードアイランド州)は「トランスジェンダーやノンバイナリーの仲間は苦しんでいる。過激な右翼の共和党は全米で、政治的得点を稼ぐために、LGBTQ+コミュニティー、特にトランスジェンダーとノンバイナリーの若者を攻撃する何百もの法案を提出している」と述べた。
決議案はさらに、司法長官が司法省内に「トランスジェンダーとノンバイナリーの人々の市民権行使へ助言と監督を専門に行う」連絡係を任命することを義務づけている。
この決議案に驚いた保守派は、決議案は左翼的で、多くの米国人の見解とずれていると非難、これによって民主党は11月の選挙で大敗する可能性があると指摘した。
シンクタンク、アメリカン・プリンシプルズ・プロジェクトのテリー・シリング会長は、「民主党は完全に狂ってしまった。有権者からの不人気を示す幅広い世論調査が発表されたその日に、この過激なトランスジェンダー政策を打ち出したことを他にどう説明できるだろうか。彼らは今年11月の中間選挙で全滅したいのだろうか」と述べた。
シリング氏は、ピュー・リサーチ・センターの世論調査を引用し、米国の成人の64%がトランスジェンダーの人々を差別から守ることを支持しているが、58%がスポーツ選手が生物学的性別に基づいたチームでプレーすることを望み、46%が医師が未成年者の性別適合を可能にすることを違法とする法律を支持していることを明らかにした。
メディア・リサーチ・センターの「ニュースバスターズ」は、「11月に向けて:下院議員らが『トランス権利章典』を提出」というタイトルの記事を掲載した。
29日に投稿されたこの記事は、「ついに、誰かが民主党を11月の選挙での敗北から救う計画を思いついたようだ。インフレ、ガソリン価格、教育なんてクソくらえだ。これは夕食時に話し合わなければならない問題だ。もし、ケンブリッジやバークレーやマンハッタンで夕食を取るのなら」としている。
昨年、下院は連邦差別禁止法に性的指向と性自認を加える「平等法」を可決したが、この法案は上院では承認されなかった。