バイデン氏、サル痘調整官を任命
By Tom Howell Jr. – The Washington Times – Tuesday, August 2, 2022
バイデン大統領は2日、米国でのサル痘対策をめぐって、米連邦緊急事態管理庁(FEMA)と疾病対策予防センター(CDC)の高官を責任者に任命した。
FEMAの西部地域責任者、ロバート・フェントン氏が首席調整官を務める。
CDCのHIV予防部門のディレクターで、公衆衛生の専門家であるディミートゥリ・ダスカラキス博士が副調整官を務める。
バイデン氏は、科学者らが、サル痘が米国などこの風土病がなかった国で定着しつつあると警告する中、連邦政府の緊急対応で合わせて40年の経験を持つこの2人を任命した。
市長、知事、LBGTQ活動家は、主に男性と性交渉を持つ男性の間で患者が増える中、検査とワクチン配布のペースに不満を抱いている。ウイルスは濃厚な接触によって広まり、誰でも感染する可能性がある。
米国ではこれまでに5800人以上のサル痘患者が発生しており、増加する患者数は減少する気配がない。
ホワイトハウスによると、新任の調整官は、地域、州、連邦と協力してサル痘の広がりを追跡し、地域社会が発生を抑えるために必要な検査、治療、ワクチンを確保することを任務とする。また、米国民がこの病気とその感染経路を理解する手助けをする。
厚生省のハビエ・ベセラ長官は、「米国でのサル痘の流行を食い止めるために、ボブ・フェントン氏とディミートゥリ・ダスカラキス氏が協力してくれることを楽しみにしている。ボブの連邦政府と地域の対応調整の経験と、ディミートゥリの公衆衛生システムの強みと限界に関する豊富な知識は、ウイルスの先を読み、政府全体の対応を進める上で、大いに役立つだろう」と述べた。
ベセラ氏は、サル痘に関する公衆衛生上の緊急事態を宣言するよう求める声に抵抗し、国はウイルスの一歩先を行き、今ある手段で流行を終わらせることができると述べている。
しかし、違う考えを持っている人々もいる。
ニューヨーク市のエリック・アダムス市長は1日、流行の中心である同市に非常事態を宣言した。
この宣言により、市長はこのウイルスと戦うために、特定の法律を停止または修正することができるようになる。このウイルスはほとんど死に至ることはないが、痛みを伴う発疹や病変を特徴とする。また、患者は疲労感、筋肉痛、発熱を訴えている。
カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(民主党)もアダムズ氏に続き、救急医療従事者にサル痘ワクチンの投与などを認めると宣言した。
バイデン氏がサル痘調整官を任命する前日、下院民主党の幹部は政府監視機関に、サル痘対応と、主要機関が新型コロナウイルスのパンデミックの教訓を新しい危機に適用したかどうかを精査するよう求めていた。
下院のベニー・トンプソン国土安全保障委員長(ミシシッピ州)とリッチー・トーレス副委員長(ニューヨーク州)、緊急対応小委員会のバル・デミングス委員長(フロリダ州)は、政府監査院(GAO)に書簡を送り、「サル痘に対する連邦政府の対応のペースが遅く、ウイルスが2カ月にわたって拡散したこと、検査とワクチンの配布の遅れがウイルスを封じ込める努力に害を与えていることを懸念している。実際、米国は、デンマークの工場にある100万回分以上のジンネオスワクチンを自由に使うことができたにもかかわらず、その配布を承認するのに2カ月かかり、その間にウイルスが急速に広がり、珍しい病気として定着し始めた」と指摘した。
議員らは、米国の公衆衛生システムは「壊れている」とし、将来の脅威に対応するため見直すべきだと述べている。また、新たなウイルスの脅威が特定の人々に与える影響についても強調した。
「このウイルスは、公衆衛生のニーズが長い間無視されてきたLGBTQコミュニティーに特に大きな破壊的影響を及ぼしている。LGBTQコミュニティーの多くで、残念ながら歴史が繰り返されている」
最近の世論調査では、米国民の約5人に1人が今後3カ月以内にサル痘に感染するのではないかと懸念しており、通常、アフリカの一部に限定されてきたこの病気について、多くの人が十分に理解していないことが分かった。
ペンシルベニア大学のアネンバーグ公共政策センターが7月29日に発表したところによると、19%がこのウイルスにかかることを恐れているのに対し、30%は今後数カ月の間に新型コロナにかかることを心配している。
厚生省が、サル痘のジンネオス注射の配布に取り組んでいるにもかかわらず、3分の2(66%)はサル痘のワクチンがあるかどうか分からない、あるいはないと考えており、半数近く(48%)がサル痘が新型コロナより感染力が弱いかどうか分からないと回答している。
科学者によれば、新型コロナはサル痘よりはるかに容易に広がる。