共和予備選への干渉めぐり、民主下院議員らが党幹部を非難

(2022年8月8日)

2019年11月15日(金)、ワシントンのキャピトルヒルでの公聴会でのショーン・パトリック・マロニー下院議員(民主党)。マロニー氏は民主党議会キャンペーン委員会の委員長を務めている。(AP写真/スーザン・ウォルシュ)

By Kerry Picket and Seth McLaughlin – The Washington Times – Monday, August 1, 2022

 民主党幹部が、一般投票で倒しやすいという考えのもとに共和党の予備選で親トランプ候補を推そうとしていることに、民主党下院議員らが抗議している。

 議員らはこれは「不名誉」であり「危険」と指摘、民主党議会選挙委員会(DCCC)を率いるショーン・パトリック・マロニー下院議員(ニューヨーク州)を非難した。マロニー氏は、民主党の選挙資金を使ってドナルド・トランプ前大統領と密接な関係にある候補者を後押しする計画を練っている。

 ステファニー・マーフィー下院議員(民主、フロリダ州)は、「選挙を否定する人たちを推すためにお金を使うべきとは誰も思わない。偽情報が多く、そのような情報を増幅すべきではない。民主主義にとって危険だ」と述べた。

 ディーン・フィリップス下院議員(民主、ミネソタ州)は、ミシガン州のピーター・マイヤー氏の予備選対抗馬に民主党が資金を投じたことに特に失望していると述べた。マイヤー氏は、2021年の連邦議会議事堂襲撃を扇動した罪によるトランプ氏弾劾に賛成した共和党下院議員10人のうちの1人だ。

 「最も高潔な共和党員の1人だと思うピーター・マイヤー氏だっただけに、失望も大きかった」

 「わが国は、政府、選挙制度への信頼喪失に苦しんでいる。私たちが何度も何度も、国家にとって大きなリスクだと主張してきた人たちを、主要政党が実際に推せば、私と同様、その意味を誰も読み違えることはないと思う。つまり、それは不名誉なことだ」

 DCCCはミシガン州第3選挙区のマイヤー氏の予備選で、トランプ氏が推薦する住宅都市開発省の元職員ジョン・ギブズ氏を宣伝するために約50万ドルを費やした。

 民主党は、ミシガン、コロラド、カリフォルニア、ペンシルベニア、イリノイ、メリーランド各州で共和党の予備選の結果に影響を与えようとしてきた。

 それによって、ペンシルベニア州のダグ・マストリアーノ氏とメリーランド州のダン・コックス氏の共和党知事候補が予備選で勝利した。

 フィリップス氏は「予備選で共和党を支援するのはDCCCの仕事ではない。手段が目的を正当化すると主張する人もいるが、私はそうは思わない」と述べた。

 マロニー氏は、DCCCは共和党の支持層にたまたま共感した親トランプ候補らに関する事実を宣伝しているだけだと、この戦略を擁護した。

 マロニー氏は最近、議会議事堂で記者団に「今していることは、ジョン・ギブズ氏がいかに危険な過激派で、ドナルド・トランプ氏に近すぎ、ミシガン西部では保守的すぎるかという真実を伝えることだ」と述べた。

 マロニー氏は極左活動家からも、この二枚舌が民主党の穏健な上層部に問題があることを浮き彫りにしていると批判されている。

 PAC(政治活動委員会)「ジャスティス・デモクラッツ」は、「民主党の指導者は、進歩的な人々を支援する前に、文字通り共和党を支援することになる」とツイートした。このPACは、ニューヨーク州のアレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員のような極左の民主党候補を勧誘、支援している。

 ミシガン州では、DCCCが30秒の広告を放映しており、表向きはギブス氏の極右や親トランプ氏の姿勢を攻撃しているが、保守派有権者の興味を集めている。

 ギブズ氏が2日の予備選で勝利すれば、民主党の候補者、ヒラリー・ショルテン氏が11月8日の一般投票で勝ちやすくなると民主党は計算している。ショルテン氏は予備選に出馬しているが、対立候補はいない。

 マイヤー氏は、DCCCは「両極端のことを言っている」と述べた。

 「この町は、あきれるほどの偽善を許容する町だと思うし、これは、さらにその上を行っている」とワシントン・タイムズ紙に語った。

 共和党の予備選に民主党が介入することは、党の古株にも支持されていない。

 数十人の元議員や元閣僚が、「選挙否定派を意図的に持ち上げるような行為には反対する」という公開書簡に署名している。

 この書簡は「イシュー・ワン」のサイトに掲載され、「私たちは、民主党の組織が共和党の予備選に介入し、前回の大統領選挙の結果を否定する候補者を推すという最近の慣行に落胆している」と指摘している。

 「これらの破壊的な予備選戦術は、民主党が11月の選挙で打ち負かしやすいと考える共和党候補を持ち上げることを目的としている。しかし、選挙への信頼を損なうような選挙活動を行う候補者を推すことは、危険であり非倫理的である」

 35人の署名者には、ノースダコタ州のバイロン・ドーガン、ルイジアナ州のメアリー・ランドリュー、イリノイ州のキャロル・モーズリー・ブラウン元上院議員、ミズーリ州のリチャード・ゲッパート、カリフォルニア州のジェーン・ハーマン、ペンシルベニア州のジェイソン・アルトマイヤー元下院らが名を連ねている。

 民主党の中には、DCCCの戦略を支持する人もいる。

 ダニエル・キルディー下院議員(ミシガン州)は「ショーンは大変な仕事をしているし、彼がしていることに難癖をつける気はない。私は一つの選挙に集中している。私の選挙だ。それ以外の選挙で彼を非難するつもりはない」と述べている。

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