米国で大麻や幻覚剤を使用する若年成人が増加

(2022年8月29日)

2013年12月31日、コロラド州が21歳以上への大麻の小売販売を許可する前日、デンバーのバーで禁酒法時代をテーマにした年越しパーティー中に、女性が大麻を吸っている。(AP写真/Brennan Linsley)

By Tom Howell Jr. – The Washington Times – Tuesday, August 23, 2022

 米国立衛生研究所(NIH)の調査で、政府の科学者たちが1980年代後半に傾向を追跡し始めて以来、30歳未満の成人が最も高い割合で大麻や幻覚剤を使用していることが明らかになった。

 NIHの「2021年モニタリング・ザ・フューチャー調査」の結果によると、過去1年、1カ月、1日に大麻を使用したと報告した19~30歳の成人の割合は、1988年以降の記録では最高水準に達したことが分かった。

 過去1年間に大麻使用を報告した人は、2021年に43%に達し、5年前の34%、10年前の11年の29%から大幅に上昇した。

 過去1カ月間に大麻を使用した若年成人は、16年の21%に対し、21年は29%に達した。日常的に使用した若年成人は、16年の8%に対し、21年は11%だった。

 NIHによると、LSDやMDMA、ペヨーテ、「シュルーム(マジックマッシュルーム)」、シロシビンなどの幻覚剤の使用は、20年まで比較的横ばいだったが、その後急激に上昇し始めた。調査では、若年成人の8%が21年のある時点でこの種の薬物を使用したと報告し、16年の5%、11年の3%から上昇した。

 ただ、MDMA(「モリー」または「エクスタシー」と呼ばれる)の使用は、この傾向に反していた。16年と20年は5%だったが、21年は3%に減少した。

 これらの傾向は、両種の薬物に対する考え方の変化と一致している。

 大麻に対して傍観的なアプローチを取る州が増え、州で大麻を販売・規制するプログラムを立ち上げているほどだ。

 政策立案者たちは、大麻の取り締まりは大量投獄や社会の混乱を引き起こし、有色人種を苦しめることが多いとして、大麻をアルコールよりも厳しく取り扱うことはあまり意味がないとしている。

 一方、幻覚剤に対する考え方は、1960年代のヒッピーや文化運動と結び付いていたが、薬物中毒や心的外傷後ストレス障害、うつ病に対処する治療効果の可能性に目を向ける方向に変わってきている。

 LSDを過剰摂取しても、ヘロインやフェンタニルのような薬物と違い、人が死ぬことはまずない。

 それでも、NIHはこのトレンドを精査することは必要だとしている。

 「若年成人が大麻や幻覚剤などの薬物をどのように使用しているか、また、これらの異なる効力、形態の薬物を消費することによって生じる健康への影響についてもっと知る必要がある」。米国立薬物乱用研究所(NIDA)のノーラ・ボルコウ所長はこう指摘する。「若年成人は重要なライフステージにあり、十分な情報を得た上で選択する能力を磨いているところだ。薬物使用が若年成人期の形成的選択にどのような影響を与えるかを理解することは、新しい世代を成功に導くために非常に重要だ」

 NIH調査では、電子たばこは2020年にやや横ばいだったが、21年は長期的トレンドの中で上昇を続けていることも分かった。

 若年成人の16%が昨年、電子たばこを使用したと報告した。NIHが電子たばこの調査を開始した17年は6%だった。この調査で若年成人の間で最も使用されているのがアルコールであることに変化はない。

 暴飲(過去2週間のある時点で5杯以上続けて飲んだと定義)は、21年に新型コロナウイルス流行前の水準に戻った(21年32%、20年28%、19年32%)。

 だが、一般的な月または日単位のアルコール摂取は減少傾向にあった。

 NIHによると、若年成人の66%が今回の調査で過去30日間にアルコールを摂取したと報告し、16年の70%、11年の69%から顕著に低下した。

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