中国の宇宙兵器は深刻な脅威 次期宇宙軍トップが危機感

(2022年9月18日)

2022年9月13日(火)、ワシントンのキャピトル・ヒルで行われた国防総省の宇宙作戦本部長・将軍への指名を検討する上院軍事公聴会で質問に答えるブラッドリー・サルツマン中将。(AP写真/Mariam Zuhaib)

By Bill Gertz – The Washington Times – Wednesday, September 14, 2022

 米宇宙軍のチャンス・サルツマン作戦副部長は、中国の宇宙兵器は軌道上の米国のすべての人工衛星を妨害、破壊する能力を持ち、米国にとって最も深刻な脅威との見方を示した。

 サルツマン氏は13日、上院で行われた宇宙軍作戦部長指名をめぐる承認公聴会で、中国が宇宙戦能力を急速に向上させていると主張、「最も差し迫った脅威は、米国の最大の戦略的脅威である中国が、米国の衛星と地上の設備を混乱させ、効果を失わせ、破壊する能力の取得に精力的に取り組んでいることだ」と危機感を表明した。

 宇宙軍は、中露に対抗するため、衛星破壊兵器、指向性エネルギー兵器、誘導可能な衛星の開発を極秘に進めていると言われているが、現在保有する宇宙兵器は、敵の電子機器、通信を一時的に混乱させる電子妨害装置だけだ。

 中露はすでに、衛星破壊兵器の実験を実施しており、中国は、衛星を破壊する能力を持つ地上配備のレーザー兵器などの指向性エネルギー兵器の実験を行っている。

 サルツマン氏は、中国が「過去10年間、毎年打ち上げ回数を倍加させている」と宇宙での作戦能力を急速に増強していることを強調、将来の紛争では、衛星が破壊されるだけでなく、宇宙そのものが戦場になる可能性があるとの見方を示した。

 バイデン政権による一方的な衛星破壊兵器の実験凍結については、「うまくいくとは思っていない」と述べ、最大のリスクは、「米国の宇宙での能力に対抗する中露の意思と能力を過小評価すること」だと警告した。

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