ラテン系右派へシフト
By Editorial Board – The Washington Times – Thursday, October 6, 2022
今週、トランプ前大統領は、マイアミで開催された「ヒスパニック系米国人指導者会議」の基調講演者として、「ヒスパニック系米国人遺産月間」の幕を切って落とした。これは、ラテン系の自由擁護団体、「米国第一主義政策機構」および「ビエンベニード」によって開催された行事である。トランプ氏の発言は、ヒスパニック系米国人が民主党を離れ、共和党への傾斜を続けている中、熱狂的な歓声を浴びた。
トランプ氏は「私たちはきょうの午後、全国で最も早く成長しているグループの一つ――誇り高きヒスパニック系の保守派ら――を祝福するために集まった」と語った。
一部の大手メディアは、ヒスパニック系米国人の大多数は、依然として民主党を支持していると主張し、ラテン系住民の右派へのシフトを否定しているが、いくつかの世論調査が、左派からの脱出が進行中であることを証明しており、その主張は事態を過度に単純化しているため誤解を招いている。NBCニュースとテレムンド(米国のスペイン語テレビ局)の最近の調査によると、ヒスパニック系米国人の有権者の54%が依然として民主党が議会の支配権を維持することを望んでいるのに対し、共和党支配を望んでいるのは33%、その差は、昨年10月以後、5ポイント、2018年11月より13ポイント、2016年10月より17ポイント、2012年10月より21ポイント減少している。
簡単に言えば、ラテン系米国人の右傾化は現実のものであり、選挙ごとに拡大しているのである。
世論調査員の一人アイリーン・カルドナ・アロヨ氏はNBCに対し、「ラテン系住民が引き続き民主党に傾倒して、議会の支配を好んでいる一方で、共和党は依然私たちが測定したよりも多くの票を獲得している」と語った。
NBCの世論調査では、ヒスパニック系米国人の51%がバイデン大統領の業績を支持していると述べているが、7月のキニピアック世論調査では、その数は19%であり、70%が反対し、57%が強く反対している。
この数値の劇的変化の理由は、民主党の統治方法に対するラテン系米国人の不満が非常に強いということだ。その理由は、彼らの政治的優先事項が共和党の優先事項および価値観と一致しているところにある。9月に、全米ラテン系選挙人選任公務員教育基金(NALEO)によって発表された世論動向調査では、インフレと生活費の上昇がラテン系米国人の主要な懸念事項であることが明らかにされた。
トランプ氏は「何世代にもわたるヒスパニック系住民は、私たちのコミュニティーの構築、教会の設立、国境の保護、軍への奉仕など、さまざまな方法で国を持ち上げるのに貢献してきた」と語った。
ラテン系米国人が優先事項として挙げているその他の問題は、妊娠中絶、犯罪の増加、そして移民である。ニュースサイト、アクシオスと調査会社イプソスが実施した6月の世論調査では、ヒスパニック系米国人の第2世代と第3世代の半数以上が妊娠中絶は合法であるべきだと考えていることが分かったが、第1世代のラテン系米国人の41%は同意していない。ABCニュースが2021年11月4日に報じたところによると、ヒスパニック系米国人で実際に銃を所有しているのは、5人に1人にすぎないが、パンデミック後の期間に、ラテン系米国人の銃の購入が49%と、信じられないほど急増した。
左翼思想が危険で、かつて繁栄していたキューバ、ニカラグア、ベネズエラなどのラテン系米国人の国をいかにして破壊したかということを、ラテン系の人々はよく理解している。一方、左翼国家へと向かっているアルゼンチン、チリ、コロンビア、メキシコ、ペルーなどの自由市場国家出身のラテン系の人々も、同様の懸念を抱いている。
私たちはトランプ氏と同じ考えである。ラテン系米国人の右傾化は現実のものであり――そして、愛国心のあるヒスパニック系米国人の助けを借りて――私たちは、本当に私たちの国を取り戻すつもりでいる。