国民に信頼されていないFBI
By Editorial Board – The Washington Times – Wednesday, October 26, 2022
うそがあるわ、あるわ。ドナルド・トランプ前大統領をつぶすためにうそをでっち上げた連邦捜査局(FBI)は罰を免れようが、同氏の弁護の中で行われた虚偽供述は起訴につながる可能性がある。近年の米国で「正義」として通用するものの中に二重基準があることは間違いない。特に、二つのケースは、驚くべき相違点を示し、米国民が法の支配に対して抱いている不信感を助長するのに一役買っている。
まず、今月初めに注目を集めたイーゴリ・ダンチェンコ氏(ロシア出身のアナリスト)の裁判について考えてみよう。FBIの情報提供者のダンチェンコ氏は、英国のスパイ、クリストファー・スティール氏によって編集され、当時の大統領候補だったトランプ氏がロシア人と共謀していると主張するために使用された書類を最上位の情報源として提供していたが、政府当局者らへの虚偽供述罪では無罪となった。ジョン・ダーラム特別検察官にとっては、検察側の敗訴となったが、この訴訟手続きから、FBIが自らの行いに関して誠意を示そうとしていないことが明らかになった。
米国民は、スティール文書で主張されているとんでもないトランプ氏の悪ふざけを確認するために、FBIが100万ドルを提供したことを初めて知った。ヒラリー・クリントン氏の陣営や民主党全国委員会が、卑劣な調査のために、数万ドルを費やしていたことを考えると、その内容を立証するためのFBIの報奨金の規模は、政治的偏見がいかに強いかを物語っている。この政治的偏見は、ニューヨーク郡の民主党中央組織、タマニー・ホールでは称賛された。
このいい加減な主張を裏付け、政府のカネを手に入れることは誰にもできなかったが、政府機関は厚かましくも偽の文書を連邦判事に提出し、トランプ陣営の監視の許可を取得し、それはトランプ大統領就任後まで続いた。
これまでのところ、3年間で600万ドルのダーラム特別検察官の捜査により、2人のFBIの情報提供者が無罪になり、1人の中級レベルのFBIの弁護士が法廷で虚偽の供述をした罪を認めている。トランプ氏の大統領の座を転覆させる陰謀に関与した政府機関の職員は、刑務所はおろか、法廷にも連行されていない。
ここで、トランプ氏の敵の幸運と、味方の不運を対比してみよう。「1月6日議会特別委員会」の捜査に関連する事件で、連邦判事は10月19日に、2020年大統領選挙での前大統領の挑戦は不首尾に終わったものの、ジョージア州の投票集計での故意の不正につながった。
委員会が調査した2020年12月31日付の電子メールで、トランプ氏の弁護士のジョン・イーストマン氏は、トランプ氏の法務チームに宛てて、フルトン郡での得票数に異議を唱える裁判所提出書類の中での主張の一部は、まったく不正確であると書いている。カリフォルニア州中部地区連邦地方裁判所のデイビット・カーター判事は、「法廷は、これらの電子メールが米国を欺くための陰謀に十分に関連しており、それを助長していることは分かっている」と書いている。
その結果、トランプ氏の大統領職をつぶそうと謀ったFBIの工作員らがレベルの低い批評家らのやっていることを笑い飛ばしている一方で、トランプ氏と彼の選挙弁護士は、議会の敵によって行われる新しい形の審問に直面することになっている。
ザ・フェデラリスト/サスケハナ世論調査・研究が発表した最新の世論調査によると、FBIがその捜査を政治目的によって行っていると思っている米国人が43%で、その公平性を信頼しているという人(42%)を上回っている。これは不思議ではない。悲しいことに、「正義」の代理人と思われている人々自身が、国を不信感の方向に傾斜させる原因をつくっている。