バイデン氏の失態、立ち上がるテキサス州

(2023年6月21日)

2023年6月6日火曜日、テキサス州オースティンのテキサス州議会議事堂で、いくつかの公共安全法案の1つに署名した後、話すテキサス州知事のグレッグ・アボット。(AP写真/エリック・ゲイ)

By Editorial Board – The Washington Times – Thursday, June 15, 2023

 米国を襲うメキシコの麻薬カルテルに対し、ついに当局が行動を起こした。しかし、国土の防衛に乗り出したのは、ワシントンの連邦政府ではなく、テキサス州の責任感の強い議員らだ。

 バイデン大統領は国家安全保障の最高責任者のふりをしてきたが、失敗が明らかになり、真の姿を隠すことができなくなった。

 先週、テキサス州のアボット知事(共和)は、メキシコの麻薬カルテルを外国人テロ組織として指定し、カルテルを国家安全保障情報データベースに追加する法案を含む、数多くの法案に署名した。

 さらに、アボット氏はバイデン氏に対し、無防備な米南部で平然と活動する犯罪組織にも同様の措置を取るよう働き掛けたが、無駄だろう。

 アボット氏は、この新法と他の五つの法律は、「テキサス州が今後も、南部国境での不法移民を阻止するための取り組みを強化し、南部国境沿いの勇敢な人々に新たな手段を提供し、テキサス州民や米国民を国境の混乱と危機から守ることを確実にする」ためのものだと述べた。

 バイデン政権が眠っているため、テキサスなどの州は、米国史上最大の不法移民の流入を自らの知恵でかわすしかない。

 人間の洪水が北上する中、カルテルが供給した合成オピオイドによって2022年に約11万人が死亡した。この問題の被害を直接受けない州も、カルテルが送り込んだ密入国者500万人以上への給付金を拠出しなければならない。その額は年間1507億ドルと見積もられている。

 バイデン政権の国土安全保障省は、5月のタイトル42(新型コロナウイルスによる緊急入国制限)の解除に先立ち、メキシコの入国管理官と協力関係を築くことで、大量の不正な越境を阻止するのではなく、むしろ加速させている。

 移民研究センターのトッド・ベンスマン上級研究員(国家安全保障)の報告によると、テキサス州ブラウンズビルの税関・国境警備局(CBP)の職員は、メキシコ側の職員に無線で信号を送り、移民を整然とリオグランデ川に送り込み、移民の処理と米国の目的地への輸送を円滑に進める時期を伝えていた。

 バイデン氏の下で、国境は事実上、警備されたゲートから開かれたゲートへと変貌した。

 最終的には、米国を北米と南米を結ぶポストナショナルな存在として再構成することになり、そこでは個人が好きなように出入りすることができるようになる。ほとんどは入国者だ。

 バイデン氏は、国家安全保障を守っているという振りをやめる気はなく、メキシコのカルテルが不法入国者や麻薬を米国に大量に送り込むのを許している。

 バイデン氏に投票したものの、その国境開放政策には嫌気が差しているという米国民は、間違った候補に票を投じたことによって早まった国家の衰退を遅らせることにテキサス州が成功するよう願うしかない。

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