トランプ氏の指名獲得確実の空気が漂う米共和

(2023年7月10日)

2023年6月27日(火)、ニューハンプシャー州コンコードで開催されたニューハンプシャー州共和党女性連盟のライラック・ランチョンで、聴衆を前にマイクに近づくジェスチャーをするドナルド・トランプ元大統領(AP Photo/Steven Senne)。

By Seth McLaughlin – The Washington Times – Friday, June 30, 2023

 まるで暴走する貨物列車のようなドナルド・トランプ前米大統領。脱線を祈るライバルたちをよそに、2024年大統領選の共和党候補指名争いを疾走している。

 3回目となる今回の立候補で、トランプ氏は全米と序盤州の世論調査で、最大のライバルであるロン・デサンティス・フロリダ州知事を大きく引き離し、乱立する他候補を圧倒している。2020年に再選を果たせず、残りの人生を獄中で過ごすことになりかねない法的問題に直面していても、トランプ氏は断トツのリードを保っている。

 トランプ氏の指名獲得が確実という空気が醸成される中、ライバルたちは、08年民主党指名候補争いの序盤で起きた例に希望を託している。7月上旬にはヒラリー・クリントン氏の指名獲得がほぼ確実とみられていたが、バラク・オバマ上院議員の驚くべき台頭により、世論調査でのリードが消えたのだ。

 「08年のクリントン氏のように(トランプの)支持が下がる可能性はあるか? もちろんあり得る。だが、その選挙と同じ理由ではない」。こう指摘するのは、モンマス大学世論調査研究所のパトリック・マレー所長だ。「党派的な支持層の大部分からカルト的な支持を得ている1期限りの大統領が、混戦の予備選でカムバックを果たそうとしているのだ」

 「これがどのような展開になるのか、過去から手掛かりを探すのは無意味な作業だ」と、マレー氏は電子メールで述べた。「他の候補者が過去の大統領選から得られる教訓はない。彼らは完全に未知の領域にいるからだ」

 セント・アンセルム大学ニューハンプシャー政治研究所のニール・ルベスク所長も、共和党候補指名争いを過去のレースと比較することに警鐘を鳴らす。

 「トランプ氏は事実上、現職であり、党内でも人気だ。政治では、現職を追い出したいなら、有権者がそうする理由を作らなければならない」と、ルベスク氏は語った。「誰も現職を選ばない説得力のある理由は作っていないと思う。恐らく、トランプ氏を候補者にしない理由として政治戦略家たちが思い付くのは、時間という変数だけのようだ」

 アイオワ州党員集会をおよそ7カ月後に控え、トランプ氏の最大のライバルと目されているのがデサンティス氏だ。ただ同氏は、立法と選挙における成功で共和党最強の候補者に上り詰めたことを有権者に納得させるのに苦心している。

 歴史は、状況が変わる可能性を示している。

 08年共和党指名争いは、この時点ではルドルフ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長がフレッド・トンプソン元上院議員に対して26.3%対18.8%のリードを保っていた。最終的に指名を獲得したジョン・マケイン上院議員は16.7%で3位だった。

 16年同党指名争いは、ジェブ・ブッシュ前フロリダ州知事が15%、スコット・ウォーカー・ウィスコンシン州知事が10.6%で、15年7月4日の連休明けから首位を争っていた。

 トランプ氏は上昇し始めてはいたものの、支持率6%でまだ集団の最後尾を走っていた。

 08年民主党指名争いは、クリントン氏がオバマ氏を世論調査で37.3%対23%でリードしていたが、オバマ氏が元大統領夫人に対して番狂わせを起こした。

 8月23日にミルウォーキーで予定されている共和党初の大統領候補者討論会を前に、後れを取る24年共和党候補者たちが参加資格を得る時間はなくなりつつある。共和党全国委員会(RNC)は候補者に対し、少なくともユニークドナー4万人と7月1日以降の世論調査で1%以上の支持率を獲得することを求めている。

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