多くの命を奪う国境危機
By Editorial Board – The Washington Times – Friday, July 7, 2023
毎日6500件以上の不法越境があり、バイデン大統領の国境危機に現体制は対応し切れていない。新しいデータによれば、5月に不法に米国とメキシコの国境を越えようとして逮捕された移民は20万4561人であり、ホワイトハウスの「不法な国境越えは激減した」という主張とは完全に矛盾している。
5月の不法入国者数は、過去22年間で2番目に多い。この現状を否定することは不可能だ。
国境危機によって、テロ容疑者が驚くべき速さで南部国境を通過する可能性が大きくなっていることは明らかだ。トランプ前大統領の全政権を通じて14人だったのに対し、今年はこれまでに125人が入国している。
また、昨年は過去最高の98人で、2021年の16人から増加していた。
先週、国境警備当局が「複数のミス」を犯し、連邦捜査局(FBI)の監視リストに登録されていたコロンビア人テロリストを米国内に解放していたことが、監察総監の報告によって明らかになった。テロ監視リストに名前があったこの移民は、米国で数週間を過ごした。
この事件では、2022年4月17日に不法移民が逮捕され、国境警備隊がテロ監視リストで「決定的な一致がない」と判断し、2日後に釈放された。
その2日後、FBIは運輸保安局から、この不法移民がカリフォルニア州パームスプリングスからフロリダ州タンパへのフライトを予約した後、この不法移民が監視リストに記載されているというさらなる情報を入手し、移民税関捜査局(ICE)に通報した。その後、ICEはこの不法移民を拘束した。
2019年、オバマ政権のジェー・ジョンソン元国土安全保障長官は、1日1000件以上の逮捕に体制が対処できなくなっていると述べた。5月の20万人超は、2017年から2020年までの5月の平均逮捕数から337%の増加だ。
バイデン氏の就任以来、690万人の移民が不法に国境を越えている。国土安全保障省捜査局は、メキシコのカルテルが不法移民を米国に密入国させることで年間130億ドル(2018年の26倍)を稼いでいると推定している。
バイデン氏が大統領に就任して以来、20トン以上のフェンタニルが南部国境を越えており、これは91億人を殺すのに十分な量である。
バイデン氏は公平で人道的な移民制度を約束したにもかかわらず、その開放的な国境政策は人を思いやるのでなく、人を死に追いやっている。バイデン政権の厚生省は、重要な審査と保護手続きを後退させることで「子供たちを迅速にシェルターから出す」というバイデン氏の要求に応えた結果、8万5000人の子供の行方が分からなくなった。
密入国によって命が失われるだけでなく、バイデン氏が取り締まりを疎かにする中で、すでに把握されているテロリストが法律を堂々と無視することで、さらに多くの命が危険にさらされる可能性がある。