中国、世界の物流へ支配拡大 米議会が国防総省に調査要求へ

(2023年10月9日)

ペンタゴンに到着し、歓迎セレモニーで木原稔防衛大臣を出迎えるロイド・オースティン国防長官(2023年10月4日水曜日、ワシントン)。(AP Photo/Alex Brandon)

By Bill Gertz – The Washington Times – Wednesday, October 4, 2023

 米連邦議会で、中国による世界の物流ネットワーク支配の危険性について、年内に議会に報告するよう国防総省に義務づける法案が検討されている。中国による物流への支配が強まれば、将来、米中が対立したり、紛争が発生した場合に米軍への補給に影響を及ぼす可能性がある、

 上院軍事委員会は、2024年度国防権限法案の中で、中国による物流・データネットワークへの支配は国家安全保障上の脅威だと指摘した。

 この法案に関する報告書は、「委員会は、中華人民共和国が世界中の主要な物流とインフラの拠点を拡大していることを懸念しており、これは米国が重要な通信ラインを確保し、戦力を投射する能力にとって重大な脅威となる」としている。

 国防総省は、この懸念を軽減するために民間技術を利用する方法を研究しており、上院議員らはロイド・オースティン国防長官に対し、12月1日までにこの問題に関する報告書を議会に提出するよう求めた。その報告書には、中国の権益によって所有または運営されている世界中のすべての物流とインフラの拠点のリストが記載されることになる。

 また、この懸念に対処するために国防総省が実施した政策やプログラム、それらが成功しているかどうかも記載される。

 国防総省は、中国の物流への脅威に関する情報の提供とその脅威の抑制と緩和のために民間が何ができるかを調査し、さらに、軍の予算と権限を使って、より安全な物流を確保し、「中華人民共和国による脅威への対処を支援する」ことができるかどうかを調査することが求められる。

 中国は、中国遠洋運輸(COSCO)や招商局集団など、世界各地に港湾施設や物流企業の大規模なネットワークを構築しているほか、中国と世界の貨物や船会社の情報を収集する中国の物流データネットワーク「LOGINK」も持っている。

 米議会の米中経済安全保障調査委員会は昨年、中国運輸省が管理しているLOGINKは、公にされない貨物や海運データにアクセスできるため、国家安全保障上の脅威となっていると警告した。LOGINKは公開データベースと、中国国内と巨大経済圏構想「一帯一路」に関連する港を含む世界中の数十の港にいる45万人以上のユーザーからの情報を組み合わせて使用している。

 専門家らは何十年も前から、中国の商業港湾施設に関する安全保障上の懸念を指摘しており、中国の港湾会社がパナマ運河の両端で港湾施設の運営を始めた際には、その懸念が特に強調された。

 今日、中国は世界各地に95以上の港湾施設のネットワークを拡大しており、海外での軍事基地ネットワークの確立に取り組んでいる。アナリストらは、習近平国家主席はこれらの基地を利用して、世界的覇権の野望を実現することを目指しているとみている。

 同委は報告で「LOGINKの広範な使用は、中国政府の権力と影響力を拡大し、米国に商業的・戦略的リスクをもたらす可能性がある」と指摘している。

 中国の法律では、中国国内のすべての企業は軍や情報機関に情報を提供することが義務付けられている。

 国防権限法案は上下両院協議会で協議中で、最終版にはこの国防総省の報告規定が盛り込まれる見込みだ。

2025年7月28日、中国・上海で開催された世界人工知能会議で展示されたファーウェイのAtlas 900 A3 SuperPoDの前を、来場者が通り過ぎる。(Chinatopix提供、AP通信経由)

中国、世界の通信インフラ支配を拡大 元米NSA長官が警告

(2026年10月11日)
2023年5月7日、台湾・台北の国立孫文記念館にある台北101ビル付近で、台湾の国旗がはためいている。(AP通信/Chiang Ying-ying撮影)

中国、台湾への「グレーゾーン」戦強化 通信網攻撃想定し米シンクタンクが机上演習

(2026年10月08日)
トランプ大統領(中央右)が中国の習近平国家主席と握手を交わす。メラニア・トランプ夫人(右)と彭麗媛夫人(左)が見守る中、2026年9月25日(金)、ワシントンD.C.の国立公文書館に到着した。(AP通信/ジュリア・デマリー・ニキンソン撮影)

米中会談、台湾を交渉材料と見るトランプ氏に専門家懸念 武器供与はG20後か

(2026年10月06日)
第65機械化旅団報道部が提供したこの写真には、2026年9月19日(土)、ウクライナのザポリージャ州で、ウクライナ兵がロシア軍陣地に向けてFPVドローンを発射する準備をしている様子が写っている。(アンドリー・アンドリエンコ/ウクライナ第65機械化旅団提供、AP通信経由)

ウクライナの教訓 兵器の調達・製造プロセス見直し迫られる米

(2026年10月05日)
中国の習近平国家主席とアメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領のイラスト(リナス・ガーシス/ワシントン・タイムズ)

トランプ・習会談、華やかな演出の裏に厳しい現実 米ハドソン研究所中国センター所長 マイルズ・ユー

(2026年10月03日)
ドナルド・トランプ大統領(左)は、2025年8月25日、ワシントンD.C.のホワイトハウスに到着した韓国の李在明大統領を出迎えた。(AP通信/アレックス・ブランドン撮影、資料写真)

米シンクタンク、アジアでの同盟縮小を提唱 「中国に戦略的利益」と反論も

(2026年10月01日)
ドナルド・トランプ大統領、メラニア・トランプ夫人、中国の習近平国家主席夫妻、そして米国国立公文書館長のブラッドフォード・ウィルソン氏が、2026年9月25日(金)、ワシントンD.C.の国立公文書館で、憲法、権利章典、その他の文書を閲覧している。(AP通信/アレックス・ブランドン撮影)

トランプ氏、習氏と国立公文書館訪問 独立宣言・権利章典を視察

(2026年09月30日)
リトアニアのケストゥティス・ブドリス外相は、2026年9月8日火曜日、リトアニアの首都ビリニュスにある外務省で、オランダのトム・ベレンセン外相との会談後に行われた記者会見で発言した。(AP通信/ミンダウガス・クルビス撮影)

ロシアが欧州に「グレーゾーン」攻撃、強まるNATOの結束 リトアニア外相

(2026年09月27日)

米空軍、シンクタンクを閉鎖 中国の脅威分析へ影響懸念

(2026年09月26日)
2025年2月18日、韓国の坡州市(北朝鮮との国境付近)で、韓国軍兵士が有刺鉄線沿いをパトロールしている。(AP通信/アン・ヨンジュン撮影)

米国から中東への軍派遣圧力、高まる北の脅威 板挟みの韓国

(2026年09月24日)
→その他のニュース