AIでサイバー攻撃のスキルが向上、専門家が懸念

(2023年12月18日)

2018年6月19日、ニューハンプシャー州イースト・デリーで展示されたルーターとインターネット・スイッチ。ジョー・バイデン大統領は、デジタルの危険と闘うための新たなプランとして、人工知能を使ってサイバーカオスを阻止した人々に数百万ドルの税金を報奨するコンペティションを計画している。(AP Photo/Charles Krupa, File)

By Ryan Lovelace – The Washington Times – Tuesday, December 12, 2023

 サイバーセキュリティー企業センチネルワンのアレックス・ステイモス氏によると、米国の中規模企業を攻撃しているサイバー犯罪者のスキルが向上し、以前は中国やロシアの専門的な政府系ハッカーに限られていたスキルを駆使するようになっている。

 ステイモス氏は、新しい人工知能(AI)ツールによって、攻撃を受ける企業側のスキルがアップし、政府系サイバー攻撃者に対抗できるようになることを期待しているという。同氏は、フェイスブック在職中に政府系ハッカーの攻撃を経験しており、2018年に同社を退職した。

 ステイモス氏は12日に下院国土安全保障員会で証言し、今では、5000~1万人程度の従業員を抱え、本格的なサイバー・セキュリティー・チームを持たない企業が、従来なら軍需企業や石油・ガス部門、大手銀行でしか見られなかったような高度なサイバー攻撃を受けていると指摘した。

 「この種の企業は、専門化したサイバー犯罪への対応に苦慮している。サイバー犯罪者の質は、4、5年前には国家の支援を受けたハッカーにしか見られなかったレベルまで上がってきている」

 ステイモス氏によると、フェイスブック在職時のチームには、中国語やロシア語の専門家や、何百もの企業のサイバー攻撃に対応し、米情報機関で働いてきた専門家らもいたという。

 「地元の保険会社がそのような人たちを雇うことは難しい。しかし、AIを通じて、ロシアや中国、イランと何年も戦ってきた経験のない、普通のIT技術者が、現状をはるかに超える大きな能力を発揮できるようになっている。これがAIを効果的に利用する方法の一つだと思っている」

 AIは、高度なコンピューティングと統計分析を組み合わせた科学と工学の一分野であり、これによって機械が複雑なタスクをこなせるようになる。

 ところが議員らは、AIによる将来のサイバー戦に不安を感じ、機械が機械と戦い、人間がそれについていけなくなる、そのような事態に米国の政府と企業は向かっているのではないかと懸念している。

 カルロス・ヒメネス下院議員(フロリダ州)は、米国が敵国に敗北しないようにするためには、AIの軍拡競争に勝たなければならないのかと疑問を呈した。

 ヒメネス氏は公聴会で「私たちは、人工知能ネットワークがサイバー攻撃を仕掛け、それに対して人工知能ネットワークが防御する、そのような未来に向かっているのではないか、最も優れた人工知能を持つものがこの競争に勝ち、戦闘や戦争に勝つという時代に向かっているのではないかと思っている」と述べた。

 ステイモス氏も同意見だ。AIを搭載したマルウエアによって、高度なサイバー攻撃がより低コストで、少ない人間の関与のもとで、はるかに容易に実行できるようになることを懸念していると説明した。

 「本当に恐れているのは、AIが、(人間が)生成に関与しないマルウエアを生成するようになることだ。重要インフラネットワーク内のエアギャップ(セキュリティー対策のためにインターネットなど他のネットワークから切り離すこと)が施されたネットワークにマルウエアを送り込めば、システムは『バグだ。バグだ』と理解し、エアギャップがあっても送電網をダウンさせることができる」

 サイバーセキュリティーを守る側は、重要インフラへのデジタル攻撃に追いつくのに必死だ。最近の報告によると、中国軍は電力や水道の公共施設、通信システム、交通システムといった米国のインフラに侵入する取り組みを強化している。

米インド太平洋軍司令官サミュエル・J・パパロ提督が、2024年8月27日火曜日、フィリピンのマニラで米インド太平洋軍主催の国際軍事会議で演説を行った。(AP通信/アーロン・ファビラ撮影)

米陸軍、西太平洋テニアン島に新型極超音速ミサイルを配備

(2026年07月29日)
写真提供:ブランドン・リッカート軍曹 第7歩兵師団(太平洋多領域軍)所属のアレクサンダー・ヴァハジ大尉(左)、米太平洋軍司令官サミュエル・J・パパロ提督(中央)、第7歩兵師団(太平洋多領域軍)所属のアレクサンダー・マリン中佐(右)が、2026年6月、ヴァリアント・シールド演習中にダークイーグル長距離極超音速兵器で訓練する兵士たちを視察した。ヴァリアント・シールドのような演習は、太平洋軍統合軍が全軍種および同盟国の部隊を統合し、統合軍の強さと多用途性、そして自由で開かれたインド太平洋への我々のコミットメントを示す、精密かつ致命的で圧倒的な多軸・多領域効果を実施する機会を提供する。(米陸軍撮影:ブランドン・リッカート軍曹)

「中国の『超限戦』への備え不十分」専門家が警告

(2026年07月27日)
2025年11月1日土曜日、韓国・慶州で開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、中国の習近平国家主席(左)が韓国の李在明大統領と握手を交わした。(聯合ニュース/AP通信)

下院国防法案、中国の韓国への影響力巡り調査義務付け

(2026年07月25日)
2015年6月27日土曜日、キューバのハバナで行われた記者会見で、米国上院議員団の一員が米国とキューバの国旗を交差させたピンバッジを着用している。(AP通信/デズモンド・ボイラン撮影)

米国転覆狙い共産主義を推進するキューバ 米国務省が警告

(2026年07月24日)
日本の小泉進次郎防衛大臣が、2026年5月31日(日)、シンガポールで開催されたアジアの年次防衛・安全保障フォーラム「シャングリラ対話」で演説を行った。(AP通信/アハマド・イブラヒム撮影)

小泉防衛相、核巡る議論呼び掛け GCAPやアジア連携も強化

(2026年07月23日)
リトアニアのケストゥティス・ブドリス外相は、2025年4月3日木曜日、ブリュッセルのNATO本部で開催されたNATO外相会議に出席するため到着した際、報道陣の取材に応じた。(AP通信/バージニア・メイヨー撮影)

リトアニア外相、ロシアの破壊工作は「侵略行為」 米軍駐留継続に期待

(2026年07月21日)
新華社通信が公開したこの写真は、2026年7月6日(月)、南太平洋で中国の原子力潜水艦から発射された長距離弾道ミサイルの発射実験の様子を捉えたものだ。(李向超/新華社通信提供、AP通信経由)

中露、スターリンク攻撃計画を極秘協議 軍事協力の実態判明

(2026年07月19日)
フィリピン沿岸警備隊が提供したこの写真には、2025年10月12日(日)、南シナ海のフィリピンが実効支配するティトゥ島(地元ではパグアサ島と呼ばれる)付近で、中国海警局の船舶(右)がフィリピンのBRPダトゥ・パグブアヤに向けて放水砲を発射する様子が写っている。(フィリピン沿岸警備隊提供、AP通信経由)

中国は依然国際法に違反 南シナ海仲裁判断10年で米軍

(2026年07月18日)
新華社通信が公開したこの写真には、2026年7月6日(月)、南太平洋で中国の原子力潜水艦から発射された長距離弾道ミサイルが海面から飛び出す様子が写っている。(李向超/新華社通信提供、AP通信経由)

米、中国のSLBM発射実験を「事前通報が不十分」と非難

(2026年07月13日)
2024年8月4日、ウクライナ国内の非公開の場所に設置されたパトリオット防空ミサイルシステムの上空を、ウクライナ空軍のF-16戦闘機が飛行している。(AP通信/エフレム・ルカツキー撮影、資料写真)

トランプ氏、ウクライナが「パトリオット」製造 専門家は生産開始に数年

(2026年07月12日)
→その他のニュース