人と動物の絆に迫るAIペット
By Jeff Mordock – The Washington Times – Sunday, December 24, 2023
人工知能(AI)業界はロボットがいつか人間の親友として犬に取って代わることを望んでいるが、今のところ「ファイドー」(飼い犬を指す愛称。日本のポチにあたる)は安泰だ。
ロボット犬やロボット猫は何年も前から存在しているが、最近の進歩は、生き物のペットを飼うことができない人にとってそれらが実現可能な選択肢となっている。
AIペットは食べ物、散歩、トイレを必要としない。アレルギーがなく、噛んだり、引っ掻いたり、高額な獣医の請求書のリスクがない。
医療情報AI健康管理会社の最高経営責任者ヘンリー・カストロ氏は、ロボットの欠点は、ほとんどの人がペットに期待するようなつながりを持てないということだと言う。
カストロ博士は「人がロボットに愛着を持つ未来は見えない。動物の共感、温もり、誠実さは有機的であり、置き換えるのは難しい」と語った。
それにもかかわらず、業界はそれを試みることを誓っている。
2023年、数種類のロボットペットが市場に出回った。中国のユニツリー・ロボティクスは今年、世界初のインテリジェント四足歩行ロボット「Go1」を発売した。そのAIの相棒は四つんばいで歩き、犬のように人について回るが、首輪やひもは必要ない。代わりに、障害物回避やナビゲーションを含む動きはAIによって支えられている。
同社はまた、自転車、スケートボード、ジョギングで移動している場合でも飼い主の速度に合わせることができる、と述べた。
別の中国企業、リビングAIは今年、EMOを立ち上げた。約5インチ(約12センチ)の高さのロボットペットは、1000以上の表情と動きをすることで動物を真似ることができるという。また、明かりをつけたり目覚まし時計をセットしたり、誕生日や休日のような特別なイベントを祝ったりするようにプログラムすることもできる。
「仮想ペット」として1990年代後半にデビューしたたまごっちのおもちゃから大いに発展を遂げた。たまごっちでは子供たちは24時間体制で世話をし、最終的には電子的な友人の死と格闘した。
ウィーンの獣医大学の研究者であるジャン・ルー・ロー氏は、金属機械が馬や他の作業動物に取って代わった産業革命の始まりと現在を比較している。
同氏は都市化と動物ケアのコスト上昇が、たいていの人にとってペットの所有を維持できなくさせるだろうと考えている。
同氏は科学雑誌「獣医学のフロンティア」で、「現在の形のペットの所有は、さらに都市化が進んだ人々の間では持続不可能となる可能性が高い。デジタル技術は急速に人間のつながりと社会的関係に革命をもたらし、論理的には人間と動物の関係にも対応することができる」と書いた。
英国のポーツマス大学の研究者による2020年の研究では、ロボット犬と本物の犬のセラピー上の利点にほとんど違いがないことが分かった。
研究者は、11歳と12歳の34人の子供を2匹の本物の犬とAI搭載の犬と遊ばせ、彼らの反応を測定した。本物の犬とロボット犬のどちらかを選ぶことを許された子供たちは、ロボットとより多くの時間を過ごしたことが判明した。
研究によると、子供たちは本物の犬と遊ぶ方が好きだと答えたが、ロボットと遊んだ後の方が前向きな感情を示したという。また、ロボットの犬が連れ去られたら悲しいと答えた子供の方が多かった。
2023: The Year of AI