トランス選手の女子スポーツ出場禁止を 共和党議員らが大学体育協会に書簡
By Valerie Richardson – The Washington Times – Tuesday, August 6, 2024
共和党の上院議員らは、全米大学体育協会(NCAA)に対し、女子スポーツへの参加を生物学的女性のみに制限するよう求め、バイデン政権による教育改正法第9編(タイトル9)への「前代未聞の攻撃」の脅威に言及した。
23人の共和党上院議員が6日、チャーリー・パーカーNCAA会長への書簡で、「2024年の夏季オリンピックが行われる中、NCAAは選手たちの参加を誇りに思っている。しかし、NCAAはこれらのアスリートの重要な部分を保護するための措置をいまだに講じていない」と指摘した。
NCAAは、各競技の国内統括団体が定めるトランスジェンダー資格基準を満たす限り、女性であることを自認する男性として生まれた学生の女子陸上競技への参加を認め続けている。
ほとんどのNCAA秋季スポーツでは、トランスジェンダーの選手は一定期間、テストステロン値を10ナノモル/リットル以下に保たなければならない。
書簡はテネシー州のマーシャ・ブラックバーン上院議員とアラバマ州のトミー・チューバービル上院議員が主導して作成したもので、「男性は、その解剖学的、生物学的な特徴から、女性よりも運動能力に優れている。例えば、心臓が大きい、赤血球数が多い、肺活量が多い、持久力がある、筋肉量が多い、骨密度と形状が違う、体脂肪が少ないなどだ」としている。
また、NCAAが4月に、競技チアダンスを除く女子スポーツから男性として生まれた選手を締め出すことを決議したことにも言及した。この方針は8月1日に施行された。
トランスジェンダーの選手は、テストステロン値を低下させるためにホルモン剤を服用するが、議員らは、「エストロゲン療法は大部分の運動能力パラメーターを逆転させることはなく、生物学的男性は生来の優位性を持ち続ける」という研究結果を引用している。
NCAA理事会は4月の会合で、トランスジェンダーの学生の参加に関する現在の方針は「引き続き検討中」であり、「NCAAはタイトル9を推進していく」ことを確認している。
女性スポーツ団体は、長年NCAAに対し、女子スポーツへの参加を女性のみとするよう働きかけてきたが、バイデン政権による、学校での性差別を禁止するタイトル9の性別に「性自認」を加える方針が8月1日に発効したことから、この問題は新たな緊急性を帯びた。
教育省によるこの変更は、「教育の公平性」の名の下に、女性であることを自認する男性生まれの生徒に対して、女性用の施設やプログラムを利用できるようにすることを学校に要求するものだが、裁判所の命令により、26の州ではこの方針が一時的に停止され、訴訟が続いている。
男女別の女子スポーツを維持するために戦う女性たちの連合体「私たちの体、私たちのスポーツ」が上院の書簡に支持を表明している。
元ケンタッキー大学オールアメリカン水泳選手のライリー・ゲインズ氏は、ブラックバーン氏の書簡の中で次のように述べている。「不公平で、危険で、差別的。ブラックバーン上院議員をはじめ、機会均等、プライバシー、安全に対する私たちの権利のために戦うこの取り組みに参加してくれた上院議員全員に感謝している」
元女子オリンピック選手らが参加する「女性スポーツ政策ワーキング・グループ」は、「性別を設けずにスポーツでの女性の平等を確保することは不可能であり、女性には女性独自のカテゴリーが必要だ」と述べた。
また、「NCAAは女性カテゴリーを女性のみに限定し、トランスジェンダーであることを自認する男性が男子チームから歓迎されるよう、文化を変える取り組みに着手しなければならない。女子チームはすでに、性自認に関係なく女性を歓迎しており、そうした女性はほとんど常に女子カテゴリーにとどまっている」と強調した。
バイデン政権は、タイトル9の方針は女子スポーツには適用されないと主張しているが、専門家らはこのルールが陸上競技に適用されるのを止めるものは何もないと反対している。
女子スポーツでのトランスジェンダーの資格に関する第2のタイトル9規則の変更は、スポーツ、年齢層、競技レベルに基づいた方針を学校が採用することを提案するもので、11月5日の大統領選後に発表される予定だ。