アフガン人協力者を見捨て、撤退したバイデン政権―下院外交委が報告書

(2024年9月14日)

2021年8月22日、アフガニスタンのカブールにあるハミド・カルザイ国際空港で、アフガニスタンからの避難中、米空軍C-17グローブマスターIIIに乗り込むアフガニスタン人乗客。(MSgt.ドナルド・R・アレン/米空軍 via AP、ファイル)

By Stephen Dinan – The Washington Times – Monday, September 9, 2024

 カブールの米大使館にタリバンが迫る中、米国の外交官たちはパスポートの山を見つめていた。戦争に協力し、危険から逃れるための特別ビザを求めていたアフガニスタン人協力者たちから集めたものだった。

 米当局は、書類がタリバンの手に渡るくらいなら燃やしてしまおうと決めたのだ。

 しかしそれは、米国への支援に長年尽くしてきたアフガニスタン人協力者らが国外脱出する米国の航空機に乗るためにカブール空港へ急いでも、その場で身分が証明できなくなることを意味した。

 国務省は解決策を考えた。アフガニスタン人協力者の住所リストに「電子ビザ」を電子メールで送信したのだ。これは「ホールパス」として知られるようになり、アフガニスタン人協力者が空港の米国検問所を通過し、安全な場所へ向かう飛行機に乗れるようにするためのものだった。

 この文書が簡単に複製できることはすぐにカブール市民に知られ、偽造コピーが一瞬にして、米国の戦争と関係なく特別移民ビザの資格も避難する権利も得ていない人々の手に渡った。

 アフガニスタン担当のマイケル・アドラー国務次官代理は下院外交委員会で、「より多くの人を航空機に乗せるためだった」と釈明した。同委員会は9日、バイデン大統領が決めたアフガニスタン撤退時の混乱とあらゆる面での失敗に関する報告書を発表した。

 同委員会のマイケル・マッコール委員長の報告書によると、バイデン氏とそのチームは2021年7月に「協力者避難作戦」を発表した際に自信を見せたものの、人々の避難や避難先についての計画を持っていなかったという。

 実際に、誰を避難させたいのかさえ分かっていなかった。

 複数の当局者が委員会に語ったところによると、指示は毎日変更されたといい、ある当局者は1日に2回指示が変わった日もあったと証言した。また現場の職員は、8月15日から31日まで米軍の管理下にあった最後の地域である空港への人々の入場可否について、独自の判断を迫られていた。

 その結果、特別ビザの資格があった可能性の高いアフガニスタン人の9割以上が米国の撤退完了時に取り残された。

 下院報告書によると、米国民約1000人もアフガニスタンに取り残され、これは政府が公表している数字をはるかに上回るという。

 この監査は、アフガニスタン政府が崩壊し、タリバンが政権を握り、米国が数万人の人々を混乱のうちに航空機で脱出させようとした際の計画と実行の失敗について最も詳細に記録している。

 報告書は、バイデン氏とその側近らがタリバンの脅威を理解せず、警告の兆候があったにもかかわらず最終的な撤退を強行し、必死に逃げようとする米国人とアフガニスタン人協力者に対する支援強化が遅れたと非難した。

 特に、米兵13人とアフガニスタン人170人が死亡し、さらに多くの米国人とアフガニスタン人が負傷したカブール空港での爆破事件に至るまで、安全上のリスクに関する警告をバイデン陣営は無視したと指摘した。

 共和党のマイク・ジョンソン下院議長(ルイジアナ州)は、「この報告書は、政権が責任と米国職員の安全よりも見た目や世間体を気にするという不名誉な事実を描いている」と述べた。

 民主党は、報告書は一方的なものだと主張した。

 民主党のジェイソン・クロウ下院議員(コロラド州)は、元陸軍レンジャーとしてアフガニスタンに駐留したことのある自身にとって、撤退は「個人的な」問題でもあると述べた上で、「米国民と兵士、アフガニスタンのパートナーは、撤退に至るまでの数カ月間と撤退前の数年間の意思決定について説明を受ける権利があるが、共和党の報告書はそれに応えることができなかった」と批判した。

 共和党はドナルド・トランプ前大統領の選挙戦で、米兵13人の死を反バイデン氏の目玉にしてきた。バイデン氏が大統領選から撤退したことでその影響は薄れたが、民主党候補のカマラ・ハリス副大統領にも責任の一端があると共和党は主張している。

 次期大統領はまた、依然として取り残されている数千人のアフガニスタン人協力者の現実にも向き合わなければならないだろう。

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