強制送還を開始せよ
By Editorial Board – The Washington Times – Wednesday, November 13, 2024
カマラ・ハリス副大統領の代わりに、トム・ホーマン氏が1月から国境問題の責任者となる。
この交代は、大きなものだ。ドナルド・トランプ次期大統領は、国境警備隊の捜査官や移民税関捜査局職員としての経験があり、不法入国に対して不寛容政策を持つホーマン氏をこの職務に抜擢(ばってき)した。
バイデン政権時代に不法に国境を越えた2千万人以上の人々に対処するためには、それが必要なのだ。ホーマン氏は国境問題へのタカ派であるスティーブン・ミラー氏の補佐を受けることになる。同氏は副長官としてホワイトハウスに戻り、他の機関が最も深刻な不法入国者を排除する邪魔にならないよう、連邦政府の資源を結集させることを任務とするようだ。
現在、連邦政府に拘留されている受刑者の15%は外国籍であり、主にコロンビア、キューバ、ドミニカ共和国、メキシコ出身者である。この数は約2万人で、司法省や連邦保安局が収容している者は含まれていない。トランプ氏は最初の任期で、納税者の負担で収監されている不法滞在者の総数を尋ねた。
連邦政府に拘留されている不法滞在者は10万2148人で、刑務所のデータを公表した45州では6万9300人が拘留されていた。 この集計からは、カリフォルニア州とそこに収監されている相当数の不法滞在者が除外されている。
これに移民税関捜査局(ICE)の「非拘留事件簿」に記載されている65万人の罪を犯した外国人と、かなりの数の国外退去が容易な外国人を加えよう。その中には1万4944人の殺人犯、6万628人の窃盗犯、12万6343人の重大な交通違反者が含まれている。
現状を擁護する人たちは、法を施行することを非情な行為として描くためなら何でもする。「60ミニッツ」(CBSの報道番組)の司会者は、不法移民の子どもたちを親から引き離すことなく、これらの非移民を排除し始める方法はないかとホーマン氏に尋ねた。ホーマン氏は巧みにその餌食になるのを避けた。
「もちろんある。家族を一緒に強制送還すればよい」とホーマン氏は答えた。
ヒスパニック系男性の過半数が強制送還に賛成している中、国境開放論者がこれを人種差別的な取り組みとして描くのは難しいだろう。
ラスムッセン社は11日に世論調査結果を発表し、次期大統領が取り組むべき国民にとっての最優先課題は不法移民対策であることを確認した。選挙前のニューヨーク・タイムズ紙/シエナ・カレッジの世論調査では、ヒスパニック系住民の3分の2が、トランプ氏が移民について語るとき、自分たちのことを言っているとは思っていないことが確認されている。
移民の重罪犯を追放しても、数週間後にまた戻ってくるだけで、ほとんど意味がない。包括的な解決策には、国境の壁を完成させることと、そもそも不法移民を誘致する誘因をなくすことが含まれなければならない。
後者についてはすでに進展が見られる。選挙直後、ニューヨークのエリック・アダムス市長(民主党)は政治的な風向きが変わったことに気付き、不法滞在者にデビットカードを渡すプログラムを中止すると発表した。トランプ氏がまだ就任していないことを考えれば、上出来だ。
同じことは、移民問題で抵抗を誓った議会民主党には言えない。ワシントン州選出のプラミラ・ジャヤパル下院議員は、「これは非常に困難な時期になるだろう。どう戦うのがベストなのか、考えなければならない」と述べた。
トランプ氏は国民の信任を得て行動しているのだから、この抵抗は容易ではない。同氏の断固とした初期の動きは、次期大統領が今後数カ月間の公約の実現にどれほど真剣に取り組んでいるかを裏付けている。
さあ、強制送還を始めよう。