パナマ運河は中国の侵略に対して「脆弱」 米国は先制可能

2024年6月28日、パナマ・シティでパナマ運河の通過を待つ貨物船。(AP Photo/Matias Delacroix)
By Alex Miller – The Washington Times – Tuesday, January 28, 2025
国際法の専門家は28日、上院委員会で、中国や他国による敵対行為を待つことなく、米国は重要な輸送経路であるパナマ運河で自国の利益を守ることができると証言した。
ジョージ・メイソン大学スカリア法科大学院のユージン・コントロビッチ教授は、1970年代に締結された米国とパナマの条約には、「中立性の体制に対するあらゆる脅威から運河を防衛できる」とする「理解事項」のリストが含まれていると述べた。
コントロビッチ教授は、「そのため、条約には運河の実際の障害を取り除くためだけでなく、敵対的な軍事行動によって運河が閉鎖されるのを待つ必要なく米国は行動できると明確に記されている。待つことは自殺行為であり、私たちにとって壊滅的な結果をもたす」と上院議員に語った。
上院商業・科学・運輸委員会の公聴会では、中国政府のパナマ運河への影響力と、運河の両端にある香港系企業が運営する港が米国および他国の経済・国家安全保障にとって脅威となるかどうかに重点が置かれた。
この公聴会は、トランプ大統領が運河の支配権を取り戻すよう主張し、中国がパナマ運河を支配していると非難したことを受けて開かれた。パナマ政府および中国政府はこの主張を否定している。
トランプ氏は運河の支配権を取り戻すための軍事力行使の可能性も排除していない。
上院公聴会の証人らは、最終的には運河の管理はパナマ運河庁の管轄下にあり、この機関が航行を管理し、1970年代後半に米国とパナマ政府が合意した中立条約を施行していると述べた。
それでも、議論の多くは香港を拠点とする海運会社「ハチソン・ポート」に集中した。同社は、太平洋側のバルボア港と大西洋側のクリストバル港という、運河の両端の港を運営している。
アラスカ州選出の共和党上院議員ダン・サリバン氏は、ハチソン・ポートと中国政府の関係が運河を通る航行に対して直接的な脅威をもたらすのか、またこの関係が条約違反となるのかを質問した。
サリバン氏は、「(中国政府は)この2つの企業に対して『運河を閉鎖しろ、通行を困難にしろ、船を運河に沈めろ』と命令できるかもしれない。そして、それが中国人民解放軍(PLA)や中国共産党(CCP)からの命令であれば、彼らは従う義務があるのではないか」と述べた。
コントロビッチ氏は、そのような命令に企業が従う義務があるかどうかは不明だとしながらも、中国政府は「これらの企業に対して多くの影響力と圧力を行使できる」と指摘した。
モンタナ州選出の共和党上院議員ティム・シーヒー氏は、中国が「どれほどの速さで」運河の使用を停止できるかを証人に問い、2021年にスエズ運河を6日間封鎖し、世界の物流に大きな影響を与えたコンテナ船エバー・ギブン号の事故を例に挙げた。この事故は強風の中で座礁したことが原因だった。
米国連邦海事委員会のダニエル・マフェイ委員は、中国が「同様のことをする可能性はある」としながらも、それはテロ行為と見なされるだろうと述べた。公聴会の議論の大半は、運河の港湾運営やパナマの「一帯一路」構想への関与を通じた中国の経済的脅威に焦点が当てられた。