中国、米との戦争へ統制強化、軍備増強-米報告書

(2025年11月21日)

新華社通信が提供したこの写真には、2025年9月3日(水)、北京の天安門前で実施された第二次世界大戦終結80周年記念軍事パレードにおいて、武装部隊が通過する様子が収められている。(郭宇/新華社通信 via AP)

By Bill Gertz – The Washington Times – Tuesday, November 18, 2025

 議会の中国問題に関する委員会の最新の報告書によると、中国共産党と軍は、台湾、衝突が続く南シナ海、中国が領有を主張する日本の地域を巡って、将来の米国との戦争に向け国全体の準備を推進している。

 米中経済安全保障調査委員会の728ページの年次報告書が公表され、中国共産党が勢力を拡大し、米国主導の民主主義体制に取って代わろうとしており、米国と同盟国は直ちにこれらの問題に対処すべきだと警告した。

 「中国の侵略に対抗することは、今や真にグローバルな課題となっている」

 中国の大規模な軍近代化は大幅に進んでおり、軍幹部の大規模な粛清の影響も受けていないと報告書は述べた。

 過去1年間で、核弾頭が増強され、新型強襲揚陸艦、高度なステルス戦闘機、無人機が増加したと報告書は指摘している。

 また、軍近代化により、人民解放軍の台湾攻撃能力が強化されたという。

 「中国は台湾侵攻を成功させるためにその能力を急速に向上させ続けている」と報告書は指摘、台湾付近での人民解放軍の作戦が強化され、上陸作戦のための新しい部隊が配備されていることに言及している。

 これらの作戦により人民解放軍は「通常の演習から、事前に察知できる警戒時間がないまま、実際の封鎖または侵攻へと移行することが可能になった」。

 報告書は、台湾に関する中国語と英語のプロパガンダが食い違っていることを指摘、中国との紛争の可能性を示す警戒すべき指標との見方を示した。

 国際社会に向けて発信された中国の声明は、台湾侵攻の可能性に否定的だ。

 それに対して国内に向けては、台湾による「挑発」によって近い将来に軍事行動に出ざるを得なくなる可能性があると訴えている。

 この違いは、「中国政府が国民に戦争に備えるための措置を講じ始めた可能性を示唆している」と報告書は指摘している。

 「中国が直ちに侵攻を開始する兆候はなく、中国政府は依然として、戦わずして台湾が降伏するよう圧力をかけたいと考えているが、米国と同盟国、パートナー国は、台湾有事が、対処するための準備をする十分な時間があるずっと先のことと考えるべきではない」

 中国の習近平国家主席は、2027年までに軍事行動に備えるよう人民解放軍に命じている。ピート・ヘグセス米国防長官は5月、台湾海峡での軍事衝突は「差し迫っている可能性があり」、発生すれば地域と世界に壊滅的な打撃を与えると述べた。

 また、中国は米国への態度を硬化させており、公式白書で、米国が関税と制裁によって、同盟国と共に中国の「発展する権利」を侵害していると非難したと報告書は指摘した。中国はさらに、米国と同盟国が中国の内政に干渉していると主張している

 この重要な報告書は、トランプ大統領と政権が中国との貿易協議を行う中で発表されたもので、意見の相違を解消し、関係を安定させることを目的としている。

 トランプ氏は今月、首脳会談で習氏を「私の友人」と呼び、会談は勝利だったと自身のSNSトゥルース・ソーシャルに投稿した。中国はレアアース

(希土類) の輸出制限を緩め、米国産大豆の購入を再開することに合意した。

 「これは米国にとって、いや世界にとって大勝利だった!

また、中国にとっても素晴らしいものだった。両大国がこれまで通り良好な関係を保ち、今後の協議や会合の具体的な計画を持って会合を終えたことは、中国にとっても素晴らしい成果だ」

 報告書は、通常は用いることのない率直な文言で、中国政府が世界中で組織的に力と影響力を拡大し、米国主導の民主的で自由な市場秩序に取って代わることを目指していると警告した。

 報告書は、中国が台頭すれば、「中国が支配する世界秩序ができ、安定、安全、繁栄、自由が失われていく」としている。

 「そのような秩序は、兵器化された相互依存、国家による監視、世界的な規範に対する強制的な支配を基に築きあげられる」

 「米国は、国内および世界中で繁栄、安全、自由を促進する将来への前向きなビジョンを持って、中国の覇権への挑戦に対抗しなければならない」

 この挑戦に効果的に対抗するために、米国は自国を守るとともに、積極的で先を見越した戦略を取って米国の産業力を再建し、国際ルールを推進し、中国の野望に対抗する連合を形成しなければならないと報告書は提言している。

 「過去1年間、中国は、責任ある世界のリーダーのふりをしようとしてきたが、世界を不安定化させるさまざまな活動を行い、世界の平和と安全を損なってきた」

 台湾については、中国は長年にわたって主権を主張してきており、この点で重要な局面を迎えていると報告書は指摘している。

 国防総省、国務省の元当局者で、委員会の副委員長を務めるランドール・シュライバー氏は、中国による台湾攻撃の危険性が高まっていると述べた。

 シュライバー氏によると、習氏は中国の「偉大な復興」を2049年までに完了させなければならず、台湾の併合がその重要な要素となると宣言している。

 シュライバー氏は、中国人民解放軍に与えられた攻撃準備期間である2027年について、この目標は「能力が備わったことの表明であり、実際の実行日ではない」と述べた。

 また、2027年に中国人民解放軍が侵攻や封鎖を実行するということではなく、封鎖は警告なしに開始されると強調した。

 この点について「攻撃と警戒の時間についての疑問について言うと、警戒のための時間はどんどん失われている」と指摘、インド太平洋軍のサミュエル・パパロ司令官が、台湾周辺での人民解放軍の活動は「演習には見えず、リハーサルだ」と言及したことに触れた。

 シュライバー氏は記者会見で、「パパロ氏が言いたいのは、単に圧力をかけ、主権を主張するために存在感を示そうと活動しているわけではないということだと思う」と述べた。

 「中国は、上陸作戦、通信リンク、後方支援などの特定の活動のリハーサルを実際に行っており、威嚇から実際の攻撃に移行することを選択した場合、事前に察知できる警戒時間は大幅に短くなる」

 中国はまた、台湾、南シナ海のフィリピン、尖閣諸島に近い日本との戦争にまでは至らない、軍事、経済、影響力を行使する挑発的な作戦を実行していると報告書は指摘している。

 また報告書によると、台湾に限らず、中国は「強い敵」(米国を指す)を倒すために、あらゆる戦争領域で軍事力を強化している。

 報告書で強調されている戦闘強化の重要な分野の1つは、中国人民解放軍が衛星攻撃という手段でインド太平洋地域の米軍に対して使用できる宇宙戦争能力を急速に拡大していることだ。

 「直接上昇型衛星攻撃兵器や共通軌道型衛星攻撃兵器など宇宙攻撃システムへの中国の投資は、紛争の初期段階で米軍を目をつぶし、混乱させるという中国の戦略を示している」

 人民解放軍は、中国の軍、情報機関で使用される人工知能(AI)や量子コンピューティングなどの技術の開発に多大な投資を行っている。

 報告書によると、中国はロシア、イラン、北朝鮮との協力を深めており、これによって、「ならず者国家」は国際的な経済制限を生き延びることができたという。

 3カ国の協力によって米国の政治的影響力は弱まり、中国に制裁回避や戦時の補給のための試行の場を提供したと報告書は述べている。

 また、ならず者国家間の協力は、軍事危機の際の支援ネットワークを中国に提供することにもなる。この支援には、技術移転、地域の陽動作戦、経済・エネルギーのライフライン、米国や同盟国の抑止力の弱体化などが含まれる可能性があると報告書は指摘している。

 報告書には、急速に力を増し、勢力を拡大している中国人民解放軍の部隊と能力に関する広範な新たな詳細が盛り込まれている。

 シュライバー氏は「中国の能力の増強についてはかなりはっきりと把握している。彼らは、自立航行可能な揚陸艇、世界最大の水陸両用艦、米国の前方展開部隊を標的とする可能性のある極超音速ミサイルなどの新たな能力の導入によって軍事能力を非常に急速に進歩させている」と述べた。

 一方中国国内について報告書は、経済的な問題を抱える中、中国は数年間にわたり腐敗撲滅キャンペーンを強化したと指摘している。これは、中国共産党が内部の反対意見を鎮圧するための取り組み、分離主義を促進し、党の支配を弱体化させていると政府が主張している宗教団体への取り締まりを隠蔽するためのものだ。

 中国共産党は、現在の国際環境を「激動」の中にあると考え、これを弾圧と統制の強化を正当化するために利用し、9300万人の党員に「絶対的な政治的忠誠」を強要していると報告書は述べている。

 また、この目標を達成するために、国内の安全保障と統制への支出は急増し、多くの当局者や軍指導者が不十分な忠誠心を理由に粛清されたと報告書は指摘している。

 「総合的に考えると、これらの行動は、中国政府が紛争の可能性に備えて迅速に準備を続けていることと、軍事、経済、技術、サイバー、外交の各分野で米国の抑止力を弱体化させるために組織的に取り組んでいることを示している」

 報告書によると、中国はまた、中国共産党の戦略的利益を促進するためにサプライチェーン(供給網)の統制を「武器化」しており、過去5年間で統制が強化されたと指摘している。

 報告書は「中国はすでに、米国との貿易交渉で政策的譲歩を求めたり、他国を罰したりするための威嚇の手段として、重要鉱物の輸出規制を展開している」と指摘、米国は一部の重要鉱物を中国に依存していると強調した。

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