名門パデュー大、グーグルと提携 AI修得を卒業要件に

(2026年1月25日)

2025年2月9日、パリで開催されたAIアクションサミットの関連イベント「パリGoogleラボ」で、ロゴが入った巨大スクリーンの前を女性が歩く。(AP通信/ティボー・カミュ撮影、ファイル写真)

By Sean Salai – The Washington Times – Tuesday, January 20, 2026

 パデュー大学は今月、人工知能(AI)に関する能力を身に付けることを卒業要件とする全米初の取り組みを実施するに当たり、公式ソフトウエア供給元としてグーグルを採用したと発表した。

 インディアナ州最大の公立大学であるパデューは、グーグルのサービスが、4万4000人を超える学部生を対象に、「AIを活用した教育の推進、AIイノベーションの加速、AI人材育成の拡大」に寄与するとしている。

 パデュー大学のムン・チャン学長は声明で「この提携によってパデューのコミュニティーは、学術機関にはめったに提供されない包括的なアクセスと機会を手に入れ、AI時代におけるトップレベルの研究大学の中でも、極めて少数の大学しか入れない特別な地位を手に入れることが可能になる」と述べた。

 今秋入学の新入生から、「AI@Purdue」戦略に基づき、ウェストラファイエット校とインディアナポリス校の卒業生に「AI実務能力」の修得が義務付けられる。

 5年間の協定に基づき、学内に「グーグルAIハブ」スペースが設けられるほか、教員、学生、研究者は、仮説の構築や研究提案の作成を支援するグーグルクラウドのAIツールやソフトウエアに全面的にアクセスできるようになる。

 グーグル公共部門のカレン・ダハットCEOは声明で「この協力関係によって、研究者、学生、教育者は最先端のAIを活用することができるようになり、同時にAIを駆使した次世代の労働力の育成が可能になる」と述べた。

 この協力関係は、パデューとグーグルが昨年11月のAIサミットで発表したパートナーシップに基づいている。

 パデューの理事会は先月、「AIと学ぶ」「AIについて学ぶ」「AIを研究する」「AIを使う」「AIで連携する」の5要件を盛り込んだ計画を承認した。

 大学側は今月、グーグルとの協力によって、学生が「即戦力となる技能と批判的思考力」を身に付け、急速に変化する労働環境に適応できるようになると強調した。

 パデューのディミトリオス・ペルリス上級副学長(提携・オンライン担当)は「学生はAI開発の最先端の技術を学び、開発に取り組む。イノベーションと責任ある利用に重点を置いた教育的枠組みの中でそれを行う」と述べた。

 具体的にどのような科目や教材が必須となるかは、現時点では明らかになっていない。

 パデューは、教授陣への取材要請を拒否した。

 グーグルの(公的機関などへの営業を担当する)パブリックセクター広報担当者は14日、ワシントン・タイムズに対し、「主要な技術提供者として助言を行う」にとどまり、「必須科目やカリキュラム自体の管理は大学が行う」と語った。

 この広報担当者は電子メールの声明で「グーグル・パブリックセクターのAI専門家は、主として各産業・分野で用いられているスキルについて、パデューのイノベーション担当幹部や教員に助言する」と述べた。

 また、「この協力関係はすでに進行中だ」と付け加えた。

 高等教育関係者の多くは、他大学が追随すべき模範を示したとして、パデューを評価している。

 カリフォルニア州立工科大学サンルイスオビスポ校の研究者で客員研究員のマーティン・メール氏は「パデューは一時的な流行を追っているわけではない。AIという言語に通じていなければ、21世紀の市場では事実上、機能的文盲だ」と語った。

 メール氏は電子メールで、今後2年以内に、「ビッグ10」、アイビーリーグなどの名門校が、いずれもAIを卒業要件とすると予測した。

 一方で、パデュー大学の要件が実務的な技能を身に付けさせるものになるのか、それとも卒業のための単なるチェック項目に終わるのかを疑問視する声もある。ネット上で拡大する「AIスロップ(生成AIで作成した低品質のデジタルコンテンツ)」や非倫理的な利用を懸念する指摘も出ている。

 「懸念はもっともだ」と、トゥーロ大学のシャロモ・アーガモン副学長(AI担当)は述べた。「AIは人間の能力を代替するものではなく、拡張するものだと学生に教えなければならない」

 パデューが独自にAIを必須とする要件を取り入れる一方で、近年、数十の大学がAI関連の科目や課程を立ち上げている。一方、学習や試験対策でAIを利用する学生は急速に増えている。

 トランプ政権や、国内で最も収益性の高いテック企業が集まるカリフォルニア州の議員らは、あらゆる教育段階にAIリテラシー要件を組み込むことを支持している。数十の州が、すでに初期的な取り組みを始めている。

 オハイオ州当局と連携して資格制度の構築に取り組んできた教育・人材育成企業AI

Owlの共同創業者キャス・マクスウェル氏は「大規模な機関ほど、迅速な対応は難しいかもしれない。だが、大学が認めようと認めまいと、学生はAIを使っている」と語った。

 学習障害のある子供や成人を指導するアイビー・プレップを創設した発達心理学者レベッカ・マニス氏は、11歳ほどの子供に対しても、学校がAIの使い方を教え始めていると指摘した。

 「その結果、入学時点ですでにそうした経験を持つ学生が増え、わずか2年で、大学におけるAI能力の焦点は、現在とは異なるものになっているはずだ」

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