米大学に流入する外国資金 昨年約8000億円

2022年4月27日、マサチューセッツ州ケンブリッジにあるハーバード大学キャンパス内のハーバード・ヤードを学生たちが歩く。(AP通信/チャールズ・クルパ撮影)
By Valerie Richardson – The Washington Times – Wednesday, February 11, 2026
米国の大学は過去40年間に、必ずしも友好的とは限らない外国政府や団体から、総額で数百億ドルの資金を受け取ってきた。
米教育省が新たに公表したデータによると、大学は昨年、研究費などを含む52億ドル超の海外からの寄付や契約を受け入れた。連邦政府が高等教育機関に外国資金の報告を義務付けて以降の累計は、約700億ドルに上る。
最大の資金提供国はカタールで、過去40年間の総額は77億ドル。次いで中国64億ドル、ドイツ47億ドル、英国42億ドル、サウジアラビア42億ドルとなっている。
受け取り額では、ハーバード大が42億ドルで首位。カーネギーメロン大39億ドル、マサチューセッツ工科大35億ドル、コーネル大31億ドル、ペンシルベニア大28億ドルと続く。
外国政府が研究プログラムなどの学術分野で大学と契約を結ぶケースはよくある。
今回の開示は、1986年に高等教育法第117条が成立して以降、大学と外国団体との資金関係を示すものとしては最も包括的だ。
データは、教育省が今年公開した「第117条外国寄付・契約報告ポータル」で閲覧でき、555大学の情報が記載されている。
リンダ・マクマホン教育長官は声明で、「トランプ政権の新たな説明責任ポータルにより、国家安全保障を脅かす活動に関与する国や団体から大学に流入する外国資金の実態がかつてないほど可視化された」と述べた。
マクマホン氏は「これは国民にとって透明性の新時代であり、大学にとっても法的義務の履行を容易にするものだ」と強調した。
第117条は、連邦資金を受ける教育機関に対し、国家・非国家主体を含む外国からの寄付や契約を毎年報告することを義務付けている。同法は長らく厳格に運用されてこなかったが、第1次トランプ政権下の2019年に管理が強化された。
教育省当局者によると、総額676億ドルの大半は2019年以降に報告された。2月28日までにさらに20億~30億ドルが追加され、40年間の総額は約700億ドルに達する見通しだ。
同当局者は「2019年以前は報告が極めて不十分で、何年も1ドルも報告しなかった有名大学もあった」と述べた。
ポータルには、中国、キューバ、イラン、北朝鮮、ロシア、ベネズエラといった「懸念国」からの資金も掲載されている。
報告開始以降、国家安全保障上の脅威とされる国々から最も多く資金を受けたのはハーバード大で6億1000万ドル。マサチューセッツ工科大4億9000万ドル、ニューヨーク大4億6200万ドルが続く。
マクマホン氏は、連邦政府向けの研究を多く担う大学にとって、外国からの影響力の把握は国家安全保障上重要だと強調。「透明性は学術研究の公正性を守るだけでなく、国家の安全と強靭性を確保するうえでも不可欠だ」と述べた。
例えば、ノースダコタ大は中国から4800万ドルの契約を受け、そのうち3700万ドルがパイロット訓練関連だという。
同大はドローン技術で連邦政府の主要パートナーであり、同当局者は「なぜ中国が突然ノースダコタに関心を持つようになったのか理解できるだろう」と指摘した。
トランプ大統領は昨年4月23日、「米大学における外国の影響力の透明性」に関する大統領令を出し、外国からの資金を巡る秘密主義を終わらせると宣言した。
2025年に報告された資金52億ドルのうち、首位はカタールで11億ドル。英国6億3300万ドル、中国5億2800万ドルが続く。
大学別では、カーネギーメロン大とマサチューセッツ工科大がそれぞれ約10億ドルで首位。スタンフォード大7億7500万ドル、ハーバード大3億2400万ドルが続いた。
ただ、大学による期限内報告の徹底は依然として課題だ。2025年に開示された52億ドルのうち21億ドル超が「期限内に報告されていなかった」という。
同当局者は「同じことは、国税庁なら通用しない」と述べ、大学の35~40%が依然として法令を順守していないと指摘した。
現在、ハーバード大、ペンシルベニア大、カリフォルニア大バークリー校、ミシガン大の4大学が、第117条に基づく「不正確または期限遅れの開示」を巡り調査を受けている。うち3大学はその後、適時に資料を提出したという。