武漢ウイルス研究所、コロナ起源巡り米上院議員を提訴

(2025年12月21日)

2021年2月3日、中国湖北省武漢市で世界保健機関(WHO)のチームが現地視察に訪れた後、警備員が武漢ウイルス研究所から記者団を遠ざける様子。(AP通信/Ng Han Guan、ファイル写真)

By Stephen Dinan – The Washington Times – Wednesday, December 17, 2025

 新型コロナウイルスのパンデミック(大流行)を引き起こしたと言われる中国の研究所が、名誉を毀損されたとして、約500億ドルの賠償を求めて、エリック・シュミット上院議員を提訴した。

 シュミット上院議員(共和党、ミズーリ州)が今週、提訴されたことを明らかにした。シュミット氏は、2020年に世界経済を麻痺させ、多くの死者を出した新型コロナの責任は中国にあるとする訴訟を米国で起こしており、これを受けて、武漢ウイルス研究所、武漢市政府、中国科学院が口封じしようとしていると非難した。

 ミズーリ州で起こされたシュミット氏の訴訟は、今年初めに連邦裁判所で240億ドルの賠償の判決を勝ち取り、中国側からの報復訴訟へとつながった。

 中国側は、シュミット氏が科学者を「中傷」し、彼らの「価値と学問的名声」を傷つけ、これによって国際協力を得ることが困難になったと主張している。賠償として3564億3700万元(約500億ドル)を要求している。

 また、シュミット氏とともに訴えられたミズーリ州とアンドリュー・ベイリー元州司法長官に、ニューヨーク・タイムズ紙、CNN、ユーチューブ、人民日報や新華網などの中国の報道機関を通じて公開謝罪を行うよう求めている。

 外交文書送達通知書によると、訴状は「被告3人は、侵害行為の停止、悪影響の除去、名誉回復、謝罪、損害賠償の責任を負うものとする」としている。

 シュミット氏は、この訴訟を「名誉の印」と捉え、武漢はパンデミックの起源との主張を一層強めている。

 同氏はワシントン・タイムズへの声明で「新型コロナを巡る中国の欺瞞は、莫大な人的被害と損失をもたらした。そしてミズーリ州知事として、私はそれを訴えた。今、彼らは事実無根の、私を標的にした法廷闘争を開始し、私に対する嫌がらせと脅迫を試みているが、それはうまくいかないだろう。私は脅しには屈しないし、引き下がらない。共産党支配下の中国に対して私は今後も声を上げ続ける」と述べた。

 新型コロナによる死者は全世界で700万人を超え、そのうちの120万人が米国民だ。

 米政府当局は当初、このウイルスは自然界から発生した可能性が高いと考えていたが、現在では武漢の研究室から発生したのではないかと疑っている政府機関もある。

 これはシュミット氏がミズーリ州の司法長官として起こした訴訟の核心でもあり、ベイリー氏は今年初め、240億ドルの判決を受け入れた。中国側は抗告しなかった。

 ミズーリ州の現司法長官キャサリン・ハナウェイ氏は、中国側の訴訟を240億ドルの支払いを回避しようとする試みと主張、支払いを迫り続けることを誓った。

 これには中国が所有する資産の差し押さえも含まれる。

 ハナウェイ氏によれば、判決通知は先月、中国への送達のために国務省に提出されたという。

 「中国が武漢ウイルス研究所の『社会的信頼を毀損した』という理由で、偉大なわが国を非難していることは示唆に富んでいる。この訴訟は時間稼ぎであり、この問題で私たちがいかに正しいかを示している」

 ベイリー氏は現在、連邦捜査局(FBI)の副長官を務める。FBIはベイリー氏の代理としてのコメントを拒否した。

 中国の訴訟は春に起こされたが、ミズーリ州に通知が届いたのは先週。シュミット氏には今週知らされた。

 シュミット氏はこの訴訟を巡るマスコミ向けの声明で「これは、世界がすでに知っていることから目を逸らすための裁判だ。中国の手は血で染まっている」と訴えた。

 シュミット氏が今週公表した文書には、中国語による訴訟の告知と、公式な送達通知の一部として原告側が提供した英訳が含まれている。

 武漢中級人民法院(地裁)は、3人体制でこの件の審理を行う。裁判長はジャン・ニンで、イン・ウェイ、ペイ・ルーの両判事が加わる。

 この訴訟では、武漢の誹謗中傷の「主要な推進者、促進者、実行者」としてシュミット氏の名前が挙げられており、シュミット氏の訴訟が、事実上、中国の法的報復のきっかけとなったことを示唆している。

 訴状は「入手可能な数多くの情報から、被告3者の悪意ある、執拗な訴えは、完全な名誉毀損であり、原告の名誉権を著しく侵害し、原告に深甚かつ極めて莫大な損失をもたらしたことが証明された」としている。

 中国側はまた、研究所が新型コロナの起源を解明するのに非協力的であったという米当局の主張も退けた。

 訴訟では、中国がパンデミック対策を支援するために57カ国に3000人以上の「医療従事者」を派遣し、米国を含む153カ国に新型コロナ対策物資を提供したことを指摘している。

 武漢市は訴状の中で「中国は常に開放性、透明性、責任をもって行動してきた」と述べている。

 米政府関係者はこの主張に同意していない。

 2023年、厚生省の監察総監は、武漢ウイルス研究所が米政府から資金提供されたコウモリコロナウイルス実験に関する資料やファイルの提供を拒否したと結論づけている。

 それを受けて米政府は、武漢ウイルス研究所を、動物実験のために米国からの資金提供を受けることを承認された機関のリストから外した。

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