米共和党の選挙戦略を書き換えたバージニア州知事選の勝利
By Seth McLaughlin – The Washington Times – Wednesday, November 3, 2021
2日に行われた米バージニア州知事選でのグレン・ヤンキン候補の勝利は、共和党にロードマップをもたらしている。共和党はトランプ前大統領が突出するのを避け、民主党は中間選挙で共和党の事実上の指導者であるトランプ氏と戦うという戦略の再検討を余儀なくされている。
ヤンキン氏の勝利は、トランプ氏が同州で敗れた昨年の大統領選から12ポイントもシフトした。これは新人政治家のヤンキン氏が自身とトランプ氏の間に一定の距離を空けることができた結果だ。
「トランプ氏がファクターではなかったということがトランプファクターだ。共和党の最優先課題はバージニア州で再び勝つことだった」。バージニア州の共和党ストラテジストで、ボブ・マクドネル元同州知事の下で働いた経験を持つタッカー・マーチン氏は、こう指摘した。「トランプ氏は舞台から去らなければならなかった。劇場にはいたものの、舞台の中心ではなかった」
トランプ氏は2016年に驚くべき上昇を果たして以来、共和党の中心になっている。全米各地の共和党候補たちはトランプ氏のまねをし、自分こそがトランピストであることを示そうと競った。
ヤンキン氏はそうしなかった。
ヤンキン氏は「選挙の公正性」を問題視することで、トランプ氏に敬意を払った。ヤンキン氏が党の候補指名を勝ち取り、トランプ氏の支持を取り付ける前のことだ。
その後、ヤンキン氏は大統領選で勝利したのはバイデン氏であると認め、トランプ氏に接近し過ぎないよう注意を払った。
にもかかわらず、トランプ氏はヤンキン氏の勝利は自分の功績だと主張している。
一方、ヤンキン氏は投票日夜に行った勝利演説で、トランプ氏について言及しなかった。その代わり、「就任初日」に実行する公約に焦点を当てたメッセージを述べた。
「これはヤンキン氏がどのようにして勝利したかを凝縮していると思う」。マーチン氏は投票日夜の反応についてこう語った。「ヤンキン氏は一人の個人、一人の候補者として出馬した。誰の代理人でもない。他の誰かの代理人とは見られなかった」
トランプ主義が存在感をさらに拡大する可能性がある中、ヤンキン氏のモデルが来年の長期にわたる共和党予備選で成功するかどうかははっきりしていない。ヤンキン氏は党大会で候補指名を勝ち取ることができたことで、トランプ氏の支持層を取り込む争いをせずに済んだと、一部の政治アナリストや党関係者は考えている。
いずれにせよ、ヤンキン氏のアプローチは民主党のテリー・マコーリフ候補のプランを阻むことになった。マコーリフ氏は知事選をトランプ氏の信任投票にしようと、ヤンキン氏を羊の皮をかぶったトランプオオカミだと警告するなど容赦なかった。
民主党は何が間違いだったのか、そしてここからどこに進むべきかという問題に向き合わなければならない。
「バイデン大統領の低下する支持率(政権発足時の支持53%・不支持36%から現在は支持43%・不支持51%に落ち込んでいる)と昨夜の選挙結果から、共和党は14年以来、初めて追い風を受けている」。「JMCアナリティクス・アンド・ポリング」の設立者であるジョン・クービロン氏は選挙後の分析でこう指摘した。