「ハバナ症候群」CIA長官がロシアに警告

(2021年11月27日)

2021年2月24日(水)、ワシントンのキャピトル・ヒルで行われた上院特別情報委員会の確認公聴会で証言する、中央情報局長官候補のウィリアム・バーンズ氏。(Tom Williams/Pool via AP)

By Joseph Clark – The Washington Times – Wednesday, November 24, 2021

 

 米国の工作員や外交官を苦しめている原因不明の症状「ハバナ症候群」について米中央情報局(CIA)のバーンズ長官は、ロシア情報機関が関わっていれば「報い」を受けると警告した。

 

 ワシントン・ポストが23日に報じたところによると、この発言は、バーンズ氏が今月に入って、モスクワを訪問した際に、ロシアの連邦保安局(FSS)と対外情報庁(FIS)の幹部らと会談した際のもので、事情に通じた米当局者が明らかにした。

 

 バーンズ氏は、指向性エネルギーが原因とみられているこの「異常な健康事例」について、ロシアを名指しすることはなかったが、このような攻撃は受け入れられず、「プロの情報機関」のすることではないと指摘したという。

 

 議員らの間では、この現象は一つの敵対相手が継続的に行っているとの見方が強まっている。しかし、攻撃者は今のところ特定されていない。

 

 被害を受けたのは、外交官、情報機関員、政府高官らで、見当識障害、吐き気、認識機能障害などの症状が表れ、長期化することもある。NBCニュースは24日、連邦捜査局(FBI)の内部文書から、ハバナ症候群の症状を訴えたFBI職員の少なくとも一つのケースを捜査していることを明らかにした。

 

 ロシア政府は、この攻撃については把握していないと繰り返し主張しており、バーンズ氏の訪露の際にも同様の主張を繰り返している。

 

 民主党のスウォルウェル下院議員(カリフォルニア州)は先月、この原因不明の健康被害を、標的を定めた攻撃であることを認めるよう米情報当局者らに要求、ウサマ・ビンラディンを追跡したときのように、攻撃に関与した者を追跡し、捕らえるよう求めた。

 

 下院情報特別委員会の委員であるスウォルウェル氏は、「世界各地で、『異常な健康事例』と呼ばれるテロ攻撃が起きており、直ちに取り組むべき重大な問題だ」と訴えた。

 

 スウォルウェル氏はバーンズ氏に対し、攻撃は激化し、頻度も増しており、米当局者は、「これらを事例と呼ぶのをやめ、攻撃とすべきだ」と訴えた。

 

 バーンズ氏はそれには直接答えず、「被害は実際に起きており、非常に深刻に捉えている」とバーンズ氏の主張に賛意を示した。

 

 バイデン政権の高官らは、この原因不明の症状を訴える人々の治療への取り組みを強化した。全米科学アカデミーは昨年12月の報告で、この症状は「指向性のある電磁パルスによるものと一致する」と指摘した。

 

 議会でも取り組みを強化しており、今月に入って、被害者を経済的に支援する法案を通過させた。

 

 しかし、発生源の特定、誰が実行しているのかについて米政府の公式な態度ははっきりしていない。当局者らは、「異常な健康事例」と呼び、攻撃とは呼んでおらず、一部の議員らはこれにいら立ちを示している。

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