フロリダ州の情報操作疑惑
By Editorial Board – The Washington Times – Thursday, June 2, 2022
今週、フロリダ州保健省(DOH)の監察官(IG)は、州職員の新型コロナウイルス感染症のデータを操作するように命じられたという申し立ては「事実に基づかず「証拠不十分」で「根拠がない」との判断を下した。
IGの27ページのリポートは、州保健省の元職員、レベッカ・ジョーンズ氏による主張に焦点を絞っている。ジョーンズ氏は、州の地理情報システム(GIS)アナリストとして2年間働いていたが、ジョーンズ氏の上司らが、彼女が作成を手伝った新型コロナダッシュボードへのデータ入力方法を、州が認めていないにもかかわらず公開したと判断したことを受けて、解雇された。
ロス・デサンティス州知事(共和党)は、ジョーンズ氏の内部告発を受けてメディアから厳しい批判を受けていたが、IGの判断によって疑いは晴らされた。ジョーンズ氏は解雇を告げられた時、新型コロナのデータを過少報告することを拒否したため解雇されたと主張、IGから内部告発者として認められた。
しかし、徹底的な調査の結果、IGは、ジョーンズ氏の保護を受ける地位を取り消し、彼女は公衆衛生政策や疫学的データを理解していなかった、言い換えると、重要な情報へアクセスできる重大な権利を有していない被雇用者だったと説明した。彼女は現在、DOHの機密情報に違法にアクセスして、ダウンロードしたとして、重罪に問われている。また、1人の元学生との関係に関連した別件の、軽犯罪ストーカー容疑に直面しており、それがフロリダ州立大学での彼女の解雇につながったとも伝えられている。
こういった事実にもかかわらず、ジョーンズ氏は現在、ツイッター上に40万人以上のフォロワーがいることを誇りとしており、今は、民主党候補として共和党のマット・ゲーツ下院議員に闘いを挑むためにフロリダ州北西部に移り住んでいる。
近代史上最も恐ろしい公衆衛生上の危機の一つに直面して、国全体がパニックに陥っていた時、ジョーンズ氏は、デヴィッド・ボウイの言葉を借りれば「ガソリンで火を消すようなことをしていた」のだ。IGの最新リポートは、この問題を取り上げてはいないが、ジョーンズ氏はまた、パンデミックの危険性が少ないように見せるために、州が故意に死者数を隠蔽(いんぺい)したと主張している。
一部の著名な民主党員らは、ジョーンズ氏の主張は、この秋に共和党を助けることになるかもしれないとほのめかした。フロリダ州緊急事態管理部長としてパンデミック対応を担当していたサウスフロリダの民主党下院議員候補、ジャレッド・モスコウィッツ氏は、ジョーンズ氏のしていることを大変心配し、彼女の否定的な投稿を沈静化するために彼女と連絡を取った。
モスコウィッツ氏は最近、政治専門サイト、ポリティコに、「彼女には熱心な支持者がいて、それが事実であろうとフィクションであろうと、彼らは彼女の言ったことを、あたかも旧約聖書に記されているかのように扱った」と語った。彼は、ジョーンズ氏の信者はさらに「突拍子もない」非難を行い、フロリダ州当局は新型コロナ患者の死体を隠していたとまで言った。
「これは知事を中傷するための仕業に違いない。しかし、彼らがやったことは逆効果になった。それは、彼に全国的なプラットフォームを提供し、全国民の目を彼に向けさせ、彼を彼の党の政治的最高権力者に祭り上げたからだ」
残念ながら、州の経済界は、これらの損害を測定したり、ましてや、それを回復させたりする手段を持たない。結局、フロリダ州の有権者らが、今秋後半に投票に行く時、よくよく考えるべきだということだ。