社説


弱いバイデン政権に付け込む中露

(2023年4月13日)
 米国民は、1月に米大陸を横断した中国のスパイ気球が、実際に米国のいくつかの軍事拠点から情報を収集していたことを知った。ところがバイデン政権は当時、気球は中国にとって「地球の低軌道上の衛星などを通じて収集できる可能性がある」程度のものであり、「限定的な価値」しかもたらさないと断言していた。
 NBCニュースは3日、2人の米高官の話として、「中国は、気球を制御することができたため、いくつかの(軍事)施設の上を何度も通過し(時には8の字飛行)、収集した情報をリアルタイムで北京に送信することができた。中国が収集した情報は、画像よりも、兵器システムから拾ったり、基地関係者からの通信を含む電子信号によるものがほとんどだった」と報じた。 →続き

都市封鎖は正しかったのか-新型コロナ

(2023年4月5日)
 多くの人々が新型コロナウイルスの経験を記憶の彼方に追いやろうとしているのも無理はない。何が正しくて何が間違っていたのかを明らかにしようとすると、今や神話に近い人物となっている多くの人々が恥をかくことになるだろう。
 それでも、けじめは必要だ。私たちの安全を守り、新型コロナの蔓延(まんえん)を防ぐ責任を負っている人々は、多くの間違いを犯し、私たちの期待する成果を出せなかった。調査が必要であり、それは、単に成果を誇示するためではなく、新型コロナのようなものが再び、出現したときに備えておくべきだと考えるからだ。 →続き

トランスジェンダーは一時的なはやり

(2023年3月30日)
 「格好いい」というのは気持ちのいいものだ。だが、みんなが格好いいということは、みんな格好良くないということだ。格好いいというのは、多くの人々の中で目立つ、際立つということだからだ。そのため、称賛されるには、格好良さを一段階引き上げる必要がある。これは、子供から大人へと上っていく一つの節目だ。
 ところがこれに、トランスジェンダーの若者が関わると、医療措置を伴い、生涯後悔することにもなり得る。医療の専門家らは「害はない」と約束するが、このような措置を促進するのではなく、抑制すべきだ。 →続き

銀行破綻とコロナの現実明らかにした良識

(2023年3月22日)
 現実はいずれにしても現実だ。政権幹部が幻想にとらわれていることが明らかになった。まずは偽金、根拠のない科学だ。うそをついてきた人々にとってはショックだろう。今になってその報いを受けている。不穏な事態だが、良識が戻ってきているという意味で安心もある。
 カリフォルニア州の2行が立て続けに破綻し、耳をつんざくような警報が鳴り響いた。まず、シルバーゲート銀行が破綻した。暗号資産(仮想通貨)の取引縮小が続いたためだ。ついで、シリコンバレー銀行(SVB)。はやりのベンチャーキャピタルの資金調達を支えてきたが、不安を抱いた預金者が、預金の引き出しに走り、その額は数十億ドルに達した。 →続き

コロナへの対応誤ったバイデン政権

(2023年3月15日)
 世界を席巻したコロナ危機は収束へと向かい、国民は困難を乗り越え、前に進もうとしている。通常の生活に戻っても、世界で最も技術が進んだこの国で、感染に対しどのような対策が講じられたかを検証しておく必要があることに変わりはない。議会は、新型コロナウイルスの発生源の公聴会に加え、バイデン政権が柔軟なコロナ対策を取らなかったことで、いかに多くの命と財産が失われたかを検証しなければならない。
 米国のコロナ死者は依然、世界で最多だ。疾病対策センター(CDC)によると、2月の死者は1万2111人で、合計で110万人となった。2位は中国で、6116人と米国とは大きな差がある。この中国の数字が本当だとすればだが、人口が4倍の中国で、米国の半分だ。米→続き

コロナ巡る政治的陰謀

(2023年3月8日)
 米国人は一般的に、善意の人々の間で暮らしていると思い込んでいるが、そうでもないことが明らかになった。米政府が新型コロナウイルス行動指針「拡大を遅らせるための15日」を表明してから間もなく3年、新型コロナの感染爆発からまだそれほど時間はたっていないが、主だった意思決定者や顔役的存在に、最高の善意を期待するのは間違いだということがはっきりしている。悲しいことに、この病気は、科学に携わる人たちのいたずらの産物であり、それを克服するための闘いは、人間の恐怖を政治的利益のための道具と見なす陰謀家によってつくられたと結論付ける理由に事欠かない。
 米エネルギー省の調査官を含む一部の情報当局者が、今になって、この命に関わる病原体が中国の研究所→続き

バイデン氏のアフガン撤退の帰結

(2023年3月3日)
 ロシアによる隣国、ウクライナへの破壊的な軍事侵攻は、完璧と言うにはほど遠く、さらに長期にわたって悲しみと死をもたらすとみられている。紛争が2年目に入る日を迎えて、平和は力によって確保されるものだという基本的な公理を思い起こさせる。悲しいかな、バイデン大統領は、同じように重要な命題の正しさを何とか思いつき、立証するに至った。すなわち、「弱さ」は戦争を招く。
 独裁者ウラジーミル・プーチン氏は伝えられるところによると、ウクライナの国境に沿って何十万人もの軍隊を集めて、反撃する敵対者を押さえ込もうとしたものの、失敗した最初の年の損害を埋め合わせようと新たな攻撃の準備をしている。プーチン氏はロシア市民を前に行った火曜日の演説で、「→続き