安全保障


中国偵察気球、任務は極超音速ミサイルのための情報収集

(2023年12月3日)
 中国の国防研究報告書によると、高高度気球計画は人民解放軍(PLA)の極超音速ミサイル計画と連動しており、米国との衝突に備えて、この二つの計画を管轄する「近宇宙軍」が新設されたという。
 国立国防科技大学の研究者グループの報告によれば、PLAは極超音速ミサイルと高高度気球のために新たに近宇宙軍を設置した。2月に米本土を横断し、サウスカロライナ沖で空軍の戦闘機によって撃墜された偵察気球もこの高高度気球に当たる。 →続き

生成AIに悪用リスク 国防総省が指摘

(2023年11月8日)
 国防総省の当局者によれば、強力な人工知能(AI)モデルは、一般に考えられているよりも悪用されやすく、軍に生成AIツールを本格的に取り入れる用意は今のところない。
 国防高等研究計画局(DARPA)で、セキュリティー上の制約を破り、大規模言語モデル(LLM)と呼ばれる複雑なアルゴリズムを調査した結果、ここから派生した技術に危険性があることが明らかになったという。DARPAのプログラムの責任者、アルバロ・バレスケス氏が明らかにした。 →続き

中国、地下核施設を増強-米国防総省報告

(2023年10月30日)
 米国防総省は、中国の軍事力に関する年次報告で、中国が大規模な軍備増強の一環として拡張している地下核・兵器施設についての詳細を公表した。
 報告は今月中旬に公開され、中国の核戦力を隠蔽し、保護するための地下施設に触れている。地下壕(ごう)やトンネルは人民解放軍(PLA)の核弾頭やミサイルを保管するとともに、指揮統制施設としても使用され、「近代的なミサイル・地上・航空・海軍部隊」の強化にも貢献しているという。 →続き

中国軍、戦略的EMP兵器の開発を推進 兵器を無力化、インフラを破壊

(2023年9月11日)
 公開情報を収集、分析するオープンソースインテリジェンス(オシント)の専門家3人による最新報告によれば、中国軍事は、米軍機の電子機器や軍事基地全体を無力化できる戦略的電磁パルス(EMP)兵器の開発と試験で大きな進歩を遂げた。
 報告によれば、電力網を含む米国の重要インフラの電子制御もまた、中国のEMP兵器に対して脆弱であり、壊滅的な損害をもたらす可能性があるという。 →続き

中国、ナノテクノロジー利用しバイオ・サイバー・電子戦兵器を強化-米報告

(2023年8月31日)
 中国軍は、高度な生物兵器と、ナノテクノロジーを利用した小型の電子機器を製造しており、これらは、将来の秘密戦争に使用される可能性がある―。最新の研究報告がこう警告した。
 報告は、公開情報を集め、分析・調査する「オープン・ソース・インテリジェンス(オシント)」のアナリスト3人が作成したもので、「中国の目に見えない武器庫の中には、さまざまな最新兵器が隠されている。これらは、中国共産党が非対称戦争を行う際に使用されることを特に想定したものであることは明らかだ。その中には、標的となる人々に合わせた生物・生化学・神経生物学兵器もある」としている。 →続き

中国 軍事基地利用を想定、「一帯一路」建設の各地港湾-米研究機関報告

(2023年8月4日)
 世界各地に張り巡らされている中国の港湾ネットワークは将来、平時・戦時を問わず軍事基地として使用される可能性がある――。米ウィリアム・アンド・メアリー大学の研究機関「エイドデータ」が最新報告書で中国の海洋覇権の拡大に警鐘を鳴らした。
 報告書は、2000年から23年までの中国の公式海港データを基に作成された。それによると、中国は世界的な経済進出に伴い、発展途上国の123カ所の民間海港に299億ドルを投資。その中には46の低・中所得国の78港湾が含まれる。 →続き