米軍、シリア撤収もサウジには派兵
(2019年10月18日)
By Guy Taylor and Ben Wolfgang – The Washington Times – Monday, October 14, 2019
トランプ大統領は、シリアに駐留する1000人以上の米兵の撤収を大々的に宣伝している。国外の「終わりのない戦争」への関与を終わらせる2016年選挙戦の公約を実行し、支持基盤にアピールするためだ。
問題点もある。国防総省がほぼ同時並行で進めているサウジアラビアへの米兵約3000人の派兵と新型ミサイルの配備が、イランとの緊張を高め、混迷の中東から手を引くというトランプ氏の公約が実施できなくなる可能性がある。
政権当局者らは、サウジへの派兵は、シリア撤収とは矛盾しないと主張する。しかし、民間のアナリストらは、この二つの動きは、明確な戦略の転換を意味するものであり、中東での米軍の兵力全体の削減とは一致しないと主張している。アフガニスタンの駐留米兵を削減するための交渉も行き詰まっているようだ。
オクラホマ大学中東研究所のジョシュア・ランディス所長は、「トランプ大統領は、中東政策を対イラン政策にしようとしている」と指摘した。
ランティス氏は「大統領は、これらの『終わりのない戦争』から手を引きたがっている。アフガンとの交渉でも、シリア撤収でもこれは同じだ。トランプ氏は選挙戦でこの点を強くアピールした。今、それを国内の政治目的のための利用しようとしている。しかし、現状を見る限り、終わりのない戦争から脱出してはいない。サウジに兵力を送ってイランの問題に深く関与しようとしている。いずれ、しっぺ返しがある」と述べた。
そのうえで「トランプ氏はおおむねイランのライオンを追い詰めた。ライオンは、ゆったりとは構えていられなくなり、餓死しそうになっている。何とかしようと必死になっている。イランの反応は、いっそうエスカレートするはずだ」と主張した。
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