イスラム国指導者バグダディ殺害によって浮上する新たな脅威
(2019年11月2日)
By Ben Wolfgang and Dave Boyer – The Washington Times – Sunday, October 27, 2019
過激派組織「イスラム国」(IS)の指導者アブバクル・バグダディ容疑者が先週末、米軍特殊部隊の手で殺害された。ISは殺害を見越して準備をし、すでに、その空白を埋めるための行動を開始しているようだ。専門家らは27日、戦いの次の段階に注意を向けるべきだと警告した。
トランプ大統領は27日、バグダディ容疑者が、シリア北西部イドリブ県で、米兵に追い詰められ、トンネルの中で「泣き叫びながら」死んでいったと発表した。自爆ベストを爆破させて、妻、3人の子供とともに死亡した。
バグダディ容疑者の素性は謎の部分が多い。5年前に、「イラクとシリアのイスラム国」(ISIS)を強大な宗教的「カリフ国家」へと発展させた。イラクとシリアの広大な地域を支配し、何万人ものよく訓練され戦闘員を擁していた。同容疑者の死亡は、米国のISとの戦いでの大勝利であり、トランプ氏にとっては外交での大きな成果だ。
トランプ氏はホワイトハウスでの演説で、「昨夜、米国は世界でナンバーワンのテロリストに裁きを下した。犬のように、おびえながら死んでいった。世界は今、より安全な場所になった」と述べた。
しかし、アナリスト、軍当局者、議員らは、バグダディ容疑者の死によって、これまでとはまったく違う、安全保障上の課題が生まれたと指摘している。ISがテロ事件を起こしたり、米同時多発テロ後のアルカイダのように、地下に潜り存続したりする可能性がある。後継者がアルカイダと手を結び、中東にスーパーテロ組織を形成する可能性すらある。
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