テキサス州の停電は人災である
ANALYSIS/OPINION:テキサス州で今週、少なくとも30人の死者を出し、数百万人を極寒の闇に陥れた突発的寒波に関しては、知っておく、また、記憶しておく価値のあることが幾つかある。
1番目に、一番重要なこと:それは、これは自然災害ではなく、テキサス州政府の判断によってもたらされた人的災害だったということである。
当てにならないエネルギーを好むのが民主党員の特徴なのだが、風力発電に夢を託すことが、ここしばらく、超党派の悪い傾向になっていた。20年近く前、当時のペリー知事は、頼りになり、持続可能な電気事業システムより、当時、はやっており、政治的に正しかったものに、より多くの関心を持った。彼は、国を風力発電で主導していこうと決め、今日、アボット知事が同様のことをしている。
それが重要なことなのか。その通りだ。しかも、いい意味でではない。この月曜日に風力発電は、タービンが凍結したため、その能力の約10%しか供給できず、テキサス州の送電網には、ほとんど送電できなかった。
比較すれば、初期のデータは、天然ガスによる発電は能力の約62%、火力発電は63%、原子力発電は80%で運用されていたことを示していた。天然ガス発電作業の要所要所――ガス田、処理プラント、パイプなどの――部分が凍結したために、期待されていたほどの能力を発揮できなかったにもかかわらず、このような数字が出た。
困ったことに、テキサス州における風力発電量の増加は、おおむね、石炭火力発電を犠牲にして進められた。石炭火発は、2014年に同州の電気量の3分の1を占め、現在では、わずか6分の1に減少している。
要するに、風力発電固有の問題があり、天然ガスも一時的に問題を起こし、テキサス州には、必要なだけの十分な火力発電がなかった。
石炭火力発電は、風力発電と違って、突発的寒波の時にも頼れるのである。例えば――ミネソタ州やウィスコンシン州、そして、さらに南下してテキサスの一部を含む――15州、そして、カナダの一部の電力網を網羅して、その地域の電力の需給バランスを取っている「中西部独立系統運用機関」は、先週の火曜日の発電量の半分以上が、石炭由来であると報告した。そういう所は、送電系統内における大規模な停電は経験しておらず、米国の最低気温の時期や、最も長い冬の間も、電力を平常通りにどうにか供給しているのである。
2番目に、良いニュースとしては、問題の部分的解決は容易ということだ。多くの寒冷州は、何カ月も居座る本当に寒い季節の影響を受けずに済ませる天然ガス発電システムを持っているのである。
ところが、風力発電の根本的問題は、固定的でないところにある。それが、何日も、幾つもの季節を通して、風が吹き荒れると使えなくなることは、送電線を運用する人たちには周知のことである。それは、技術的バグではなく、普通なのである。
送電の範囲を増やせば良いかもしれないが、それは、テキサス州を、耐気候構造を持った天然ガスとか、石炭のような頼りになる電力とかとつなげて初めて可能なのだ。風力発電にさらに接続させようとすることは、徒労に終わる解決法にすぎない。
3番目の良い知らせは、テキサスで起きたすべてのことが、ペリー氏やアボット氏のような人たち、環境保護論者たち、そして、メディアが長年宣伝してきたフィクションを白日の下にさらしたことである。風力発電は、それには、その力がないので、決して、頼りになる、手ごろな値段の電気システムの支柱になる見込みはないからである。