サラ・ペイリン、上院選でリサ・ムルカワスキ―の対抗馬を視野、弾劾投票後に

(2021年3月3日)

AP Photo/Brynn Anderson

By Alex Swoyer – The Washington Times – Friday, February 19, 2021

 アラスカ州の共和党関係者は、リーサ・ムルカワスキ―上院議員への予備選挙の対抗馬として、保守派運動「ティーパーティー」支持者の間で人気の高いサラ・ペイリン元知事に目を向けている。ムルカワスキ―氏は、ドナルド・トランプ前大統領への2回目の弾劾裁判で有罪に賛成票を投じたことで、ティーパーティー支持者の反発を買った。

 トランプ氏の有罪に賛成した7人の共和党上院議員のうち、2022年に再選を目指すのはムルカワスキ―氏だけだ。

 それによって、3期目の上院議員である同氏は、大きな標的となっている。

 しかし、同州の共和党指導者たちのムルカワスキ―氏に対する不満は、弾劾裁判に賛成票を投じたことに限られない。彼らはまた、ムルカワスキー氏の妊娠中絶賛成の立場や反トランプのレトリックに苛立っている。保守派は、同氏を別の候補と交代すべき理由として、最高裁判所のブレット・カバノー判事の承認に反対したことや医療保険制度改革法(オバマケア)への支持を挙げている。

 北極圏やチェナ湖を含むアラスカ第3地区の共和党議長であるバーバラ・ティンダル氏は「私がどこへ行っても、人々は長い間ムルカワスキ―氏への不満を口にする。誰もが 『われわれには今、有力な挑戦者が必要だ』と言っている」と述べた。

 アラスカ州で9人目の知事で、2008年大統領選で大統領候補だったジョン・マケイン氏の副大統領候補だったペイリン氏は、現時点で保守派の間で支持が高い。だが、同氏が唯一の候補ではない。18年から就任しているアラスカ州のマイケル・ダンリービー知事は、党内の一部が押している。

 ペイリン氏とダンリービー氏に予備選への出馬についてのコメントを求めたが、回答はなかった。

 3月12日に開かれる共和党同州委員会の会合では、ムルカワスキ―氏の対抗馬として予備選で誰を支持するかを決めることが議題の一つとなるとティンダル氏は述べた。

 ムルカワスキ―氏は、02年に父親のフランク・ムルカワスキ―元上院議員が同州知事選に当選した後、残りの任期を全うする後任として彼女を任命して以降、上院議員を務めている。

 同氏は上院選で3度当選したが、総投票数の過半数を獲得したことは一度もない。04年に48・6%、10年に39・5%、16年に44・4%の票を獲得した。

 上院でのスイングボート(浮動票)として知られる穏健派のムルカワスキ―氏は、トランプ氏の弾劾裁判で有罪に賛成票を投じたことが、再選を妨げる可能性があることをすぐに認識した。

 ムルカワスキ―氏は投票後に連邦議事堂で記者団に「それは私ではなく、われわれが何を支持するのかの問題だ」と語った。「すべての投票には結果が伴いうが、今回の投票は多くの面で結果が伴う。だが、これが私の政治的野心に役立つかどうかによって、私の投票の重要性を損なうことはできない」と述べた。

 アンカレッジ・デイリーニュースによると、州下院選挙区のうち少なくとも5つの地区の共和党がムルカワスキ―氏を非難する決議を可決した。

 州レベルの共和党のメンバーも非難決議に動いている。

 ムルカワスキ―氏だけが非難されるているわけではない。ワイオミング州選出のリズ・チェイニー下院議員、ノースカロライナ州選出のリチャード・バー上院議員など、弾劾を支持した数人の議員は、地元の共和党によって非難された。ムルカワスキ―氏と同様に、ペンシルベニア州選出のパット・トゥーミー上院議員も保留中の非難決議に直面している。

 ムルカワスキ―氏とは異なり、バー氏とトゥーミー氏は22年に再選を目指していない。

 アラスカ州は最近、順位選択投票を承認する法案を可決した。これにより、有権者は1人だけを選ぶのではなく、優先順位を付け、複数の候補者に投票することができるようになった。

 しかし、順位選択投票は法廷で異議を唱えらている。アラスカ独立党は、このシステムは政治結社の自由を侵害していると主張した。

 アラスカは、共和党や民主党よりも無党派の登録有権者数が多い州であり、ムルカワスキ―氏のような穏健派候補が有利となる。

 同氏は過去の予備選に不満を抱いたアラスカの共和党員による挑戦の嵐を乗り越えてきた。

 ムルカワスキ―氏は、ティーパーティーの支援を受けた候補者であるジョー・ミラー氏に10年の予備選で敗れた。その後、書き込み投票による候補者として立候補し、ミラー氏と民主党候補の両方を破って、上院の議席を維持した。

 共和党のストラテジスト、エイミー・コック氏は、ムルカワスキ―氏は依然として再選できる可能性が高く、弾劾への賛成票は長期的な傷を残さないと述べた。

 コッホ氏は「彼女はアラスカを知っており、集中砲火を浴びたこともある。弾劾に賛成したことは依然として問題になるが、そこまで強くはなく、時間が経つにつれて減少すると考える」と述べた。

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