環境保護論者、人口過剰が地球の主要な脅威と主張

(2021年3月9日)

AP Photo/Luca Bruno

By James Varney – The Washington Times – Sunday, February 28, 2021

 環境保護論者レオン・コランキエビッチ氏は、環境保護運動が最大の問題点から目を逸らしていることを懸念していると述べた。その問題点とは人だ。

 コランキエビッチ氏によると、かつて、森林、平原を破壊する主要原因は人口過剰とみられてきたが、現在の環境保護論者らは、移民が問題と考え、人が自然を破壊する主要要因とする考えは支持を失っている。

 「25年前、都市が無秩序に拡大していく『スプロール減少』という考え方が重視されていた。アル・ゴア氏は、反スプロール派だった。田園地帯が失われているのは見ての通りだ」

 コランキエビッチ氏は、自身は人間が嫌いなわけではなく、人が必ずしも悪いわけではなく、数が多すぎることが問題だと指摘した。

 反人間中心主義ではないかとの質問には「人は好きだ」と答えた。

 「地球が維持でき、国家が高い生活水準と高い生活の質を維持できる程度の人口がいいと思っている。問題は、米国、地球がどれだけの数の人を収容できるかではなく、維持できるかだ」

 コランキエビッチ氏は、ナンバーズUSAの科学担当部長であり、研究報告「アリゾナ州の人口増と失われる自然」を作成したばかりだ。研究は、アリゾナ州の110万エーカー(約4450平方㌔)が、「建物、歩道、砂利など」の下になり、1982年~2017年に人口が420万人増加したことで、その他の要因すべてを合わせた12倍ものスプロール化が発生したと結論付けている。

 その主要原因は移民だ。「連邦移民政策がアリゾナ州の人口増の最大の原因」ということだ。

 他の一部州でも、状況は似ている。このまま放置すれば、移民による環境破壊が進むとコランキエビッチ氏は警告した。

 しかし、環境保護論者らは長い間、人のせいにし、人口過剰の間違いがよく指摘されてきた。

 スタンフォード大学のポール・エーリック教授は、1968年の大ベストセラー『ザ・ポピュレーション・ボム』で世界と出版業界を驚かせだが、その際、1970年代に「何億人もの人々が餓死する」と断言した。

 エーリック氏は、この考えを広めようと、次の年に『エコ・カタストロフィ』を書いた。1970年に「死亡率は高まり、少なくとも年間1億~2億人が、今後10年の間に餓死する」と主張した。

 コランキエビッチ氏が半世紀以上も前に最初の「アース・デー(地球の日)」イベントに参加した時、そのメッセージは差し迫ったものだった。主催者のデニス・ヘイズ氏は「大量餓死はもう避けられない」と訴えた。

 コランキエビッチ氏は、バージニア工科大学、ブリティッシュコロンビア大学で天然資源と林学の学位を取得しており、人口過剰論にはヒステリーが伴うことがよくあることを認めている。

 コランキエビッチ氏は、英国の経済学者、人口統計学者で、人類は18世紀の終わりころに破綻すると警告していたトマス・ロバート・マルサス氏を引き合いに出しながら、「私は新マルサス主義者だ」と述べるとともに、半世紀前の予測の「半分」が今では非常識に見えると指摘した。

 エーリック氏らはマルサスと同様、人類の知恵に裏切られてきた。人類はその知恵によって、当時、考えられていた以上に農業を成功させたからだ。

 コランキエビッチ氏は、これらの失敗の過去についての質問に「経済学者と保守派はそれ以上だ。環境保護論者らはいわば、これらを無視し、依然として(人口過剰の)心配をしているが、人口過剰に注意を払うのは『やられた方が悪い』と主張する人々に抑えつけられている」と答えた。

 「特にこの5年から10年は、『ウォーク』という考え方が生まれている。資本主義、白人、豊かな人々が地上の抑圧された人々を抑圧しているという考え方だ」

 だが、いつもそうだったというわけではないとコランキエビッチ氏は言う。

 コランキエビッチ氏は、クリントン大統領が1993年に鳴り物入りで導入したものの、以後、忘れられてしまっている「持続可能な開発会議」の復活を望んでいる。

 コランキエビッチ氏は、この会議の中の「人口・消費タスクフォース」の成果を引用した。それによると、1996年に「非常に微妙な問題だが、移民を削減することは、人口の安定と持続可能性への取り組みに必要だ」と結論付けている。

 「これはすべて、半世紀前の民主党政権下にあったことだ。民主党は今、このことに触れようともしない。国境開放だと言っている」

 他にも、移民を制限することの重要性が分からなくなっている理由があるという。それは、出生率の低下だ。この問題は、ドイツ、ロシア、日本で特に深刻だ。しかし、人口統計学者らは長年、西側世界で、出生率が集団を維持するために必要な数字以下に下がっており、女性一人が産む子供の数は全体的に2.1人程度だ。

 コランキエビッチ氏は、米国取り組むべき問題は子供ではなく移民だと指摘する。

 「私にとっては、移民を削減することが目的達成の手段だ。確実に環境と経済を安定化させるための取り組みの一環として、米国の人口を安定させる必要がある。持続可能な繁栄を望む。つまり、国勢調査局やピュー・リサーチの数字、ナンバーUSAの数字ではない、を見ると、移民は持続可能な水準まで削減すべきだということになる」

 「人口問題を軽視する環境保護論者がいるが、全く現実を見ていない」

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