バイデン政権、メキシコ国境の「危機」認める
By Stephen Dinan – The Washington Times – Monday, March 1, 2021
新政権は国境の「危機」が続いていることを認め、バイデン大統領はメキシコのロペスオブラドール大統領とオンラインで会談を行う準備を進めている。
会談に先立つ記者へのブリーフィングで政権高官は、バイデン氏は、メキシコが不法移民の急増を止めるために何ができるかを尋ねるが、一方でバイデン氏は、米国に到達する移民への待遇を改善する計画であることを示す意向だと説明した。
ロペスオブラドール氏は週末に、ビデオチャットでバイデン氏に「ブラセロ」型の移民計画を提案すると述べ、年間数十万人のメキシコなど中米の移民が米国で働くことを認められるよう求めた。
ブラセロ計画は、第2次世界大戦中に立案されたもので、20年間にわたって実施された。数百万人の未熟練職の移民労働者を期限付きで受け入れ、期限が切れれば帰国させるというもの。この計画は、労働者の待遇、米国人労働者の職を奪うという主張をめぐって論争となった。
この高官はブリーフィングで、報道は見たが、政権としては今のところ興味を持っていないと述べた。
「今のところ、国境で危機を切り抜けることに専念している」
サキ大統領報道官は先週、国境の現状を「危機」と表現することを拒否した。
サキ氏は「ここでも、他の場所でも、新たな呼び名を付けるつもりはない」と述べたが、「政権の優先課題」であることは認めた。
バイデン氏の移民をめぐるこれまでの対応が、今の移民増を招いた。不法移民家族の大規模な集団がいくつも中米、メキシコから国境に向かっている。
高官らは国境は閉じていると言うが、毎日、数百人が越境している。
メキシコの協力が弱くなっていることが一つの要因であり、メキシコは米前政権下で、米国が新型コロナウイルス対策として追放した人々、「移民保護プロトコル(MPP)」のもとでメキシコに返した人々を引き受けていた。
米政権高官によると、メキシコは国境沿いの一部地域で、6歳未満の子供を伴って米国境に到達した他国の移民家族の引き受けを拒否している。この高官は、その移民らが、現在、大挙して国境に現れている人々の大部分を占めると指摘した。
この高官によると、バイデン氏はこの問題に集中しており、国境の状況に「戦術レベルにまで」関与し、「リアルタイムで」報告を受けているという。