軍内の「過激主義」一掃計画に懸念

(2021年3月16日)

AP Photo/Gregory Bull

By Ben Wolfgang – The Washington Times – Wednesday, March 3, 2021

 国防総省は、軍内の政治的「過激主義」を根絶しようとしているが、定義が広範囲に及び、あいまいであることから、退役将校、軍事専門家から、意図せず、カトリック教徒、共和党員が排除されたり、人種差別主義者でも暴力的でもなく、ただ保守的で中絶に反対しているというだけで拒絶されたりするのではないかと懸念の声が上がっている。

 国防総省の過激主義一掃への取り組みは、想定していないところにまで拡大する可能性があり、最悪の場合、宗教的な人々、政治的右派の人々が軍に歓迎されていないと感じ、新兵の募集に長期的な悪影響を及ぼす可能性があるという批判が出ている。

 バイデン政権は、治安部隊内の過激主義一掃に、全力を注いでいる。1月6日の議会議事堂襲撃に現役の兵士、元兵士、警官らが関わっていたことがその主要な要因だ。

 オースティン国防長官、軍幹部らは、この取り組みは反政府民兵組織、白人至上主義組織など、暴力が懸念される組織に参加している個人を特定することを狙ったものだと繰り返し強調している。中でも、自身の信念と能力を基に議事堂襲撃のような行動を取る可能性がある人々を対象としたものとしている。

 しかし、過激主義者、過激主義的行動の内容がどのようなものなのかは主観に基づいている。国防総省の公式指針は、「治安に悪影響を及ぼす組織」のような文言が使用されているが、これらは、政治的、社会的、文化的な考え方によって、人によって違った意味を持つ。

 退役空軍少将で、現在はデューク大学「法・倫理・国家安全保障センター」の事務局長のチャールズ・ダンラップ氏は、「国防総省の基本的な指針にある過激主義の定義は依然、あいまいで、懸念すべき部分がある。例えば、カトリック教徒で、中絶をフランシスコ教皇が言ったように『子供の殺害』と同等と考える中絶反対派は、暴力や違法な活動に強く反対していても、『過激主義者』とされる可能性がある」と指摘した。

 国防総省が意図的にカトリック教徒を排除しようとしていると考える人はほとんどいないものの、60日の「活動停止」期間内に、軍が何らかの危険に直面していることが明らかになる可能性がある。オースティン氏は、軍の全幹部に、軍内での過激主義、人種差別、差別について部隊内で話し合う時間をつくるよう命じた。話し合いは、来月の初めまでに終わる。

 国防総省のこの活動停止計画では、軍の指針で「兵員が至上主義、過激主義、組織犯罪の考え方、思想、運動を積極的に支持することが明示的に禁止されている」ことを改めて訴えている。指針によると、全兵員は「至上主義、過激主義思想を推進する組織に積極的に参加することを拒否しなければならず、それには、人種、主義、肌の色、性、宗教、人種、国籍を基に違法な差別をする人々、力、暴力、犯罪活動を推進、促進、支持する人々、または個人の公民権を剥奪しようとする人々などが含まれる」。

 ダンラップ氏ら専門家は、国防総省の指針には問題があるとみている。兵員は、連邦法、米軍司法統一法典(UCMJ)、軍の反過激主義指針に抵触していなくても、過激主義的な行動を通報される可能性がある。国防総省は、一部の行動が、法律、過激主義指針に抵触していなくても、「米政府の国家安全保障裁定ガイドラインで依然、懸念の対象となる可能性がある」と指摘している。

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