急増する不法移民、過去最悪ペースに
By Stephen Dinan and Seth McLaughlin – The Washington Times – Wednesday, March 10, 2021
バイデン米大統領が国境を管理するようになった最初の丸1カ月間で不法移民の記録を更新した。
10日に発表された統計によると、子供の不法移民が2月としては過去最悪を記録した。
同伴者のいない未成年約9500人が南部国境で拘束された。これは昨年同期比で2倍に急増した全不法移民の一部であり、過去最多を記録した2019年をしのぐペースだ。
税関・国境警備局(CBP)が対応した不法移民は、全世代で10万人以上を記録した。これは過去10年間で5番目に多い月だ。上位4カ月はいずれも不法移民が急増した19年だった。
2月は通常、不法入国が比較的少ない月だ。今年のトレンドが続けば、21年は19年を上回る可能性がある。
CBPのトロイ・ミラー長官代行は、拘束されている子供の不法移民の数を明らかにするのを拒否。ミラー氏は法執行機関の機密情報だと言うが、リーク報道によれば、かなりの数だ。
「拘置施設の人数については把握に苦慮している」と、ミラー氏は述べた。
バイデン政権は不法移民の急増を「危機」と位置付けることに反対している。だが、バイデン氏と同氏の政策転換に直接的な責任があると主張する議会共和党にとって、最新の統計は疑問の余地がない。
バイデン氏は(難民申請した不法移民をメキシコに送り返して待機させる)「リメイン・イン・メキシコ」プログラムなど、トランプ前大統領の厳格な国境政策を撤廃し、ラテンアメリカ諸国との協力合意を破棄し、不法移民の家族を米国内に直接釈放し始めた。これら全てが不法移民の新たな波を招き寄せている。不法移民はバイデン政権の気前の良さに乗じようとしている。
「危機を危機と呼ぶことに遅過ぎることはない」。共和党のジョン・カートコ下院国土安全保障委員会筆頭理事(ニューヨーク州選出)は主張した。
国境警備隊員は2月に9万6974人の不法入国者を拘束した。この他、許可なく通関地に入ろうとした3467人がCBP職員によって拘束された。
国境警備隊員によって逮捕された家族の不法移民の数は、1月の約7000人から2月は1万9000人近くへと跳ね上がった。9万5000人以上を記録した19年5月と比べるとはるかに少ない。
同伴者のいない子供と家族を合わせると、不法入国者の約30%を占めた。19年のピーク時には全体の70%以上だった。
国境に関するその他の指標もひどいものだ。
薬物の押収は昨年を大幅に上回っている。当局者によると、押収量が多いほど、通り抜ける量も多いのが一般的だ。
カートコ氏は、国境で逮捕された性犯罪者の数も記録を更新する勢いだと指摘した。
議会民主党は新たな統計にほぼ沈黙している。ホワイトハウスの南部国境担当の高官であるロベルタ・ジェイコブソン氏は、バイデン政権には今後不法移民を止めるプランがあると語った。
ジェイコブソン氏は、その地域特有の貧困や暴力が移民急増の要因であるとの見方を示し、バイデン氏は中米諸国の国家再建のために40億㌦の海外援助予算を要求するつもりだと語った。
マイク・ポンペオ前国務長官は、国境の状況についてバイデン政権は非難に値すると語った。
「この政権は、われわれが成し遂げた全ての良い取り組みを投げ捨ててしまった」。ポンペオ氏はFOXビジネスネットワークのマリア・バーティロモ氏にこう語った。