軍がテレビ司会者に反撃、妊婦用飛行服を揶揄
By THE WASHINGTON TIMES – – Sunday, March 14, 2021
ANALYSIS/OPINION:FOXニュースの司会者タッカー・カールソン氏は先週、自身の冠番組で、米軍の妊婦用飛行服の採用について、女性をつなぎ留めておくためとはいえ、やり過ぎではないかとの見方を示した。
カールソン氏は、中国の「親愛なる指導者」が最近、軍人として国家に仕えるには力強い男性の方がいいと強調したとして、米軍のこの対応を中国と対比させた。
軍幹部らが翌日、これに反論、カールソン氏を激しく攻撃した。
これは二つの理由で注目に値する。
まず、国防総省が、テレビのトーク番組の司会者と結論の出ない政治的議論をするのは、近年なかったということだ。このような事態になったのは、軍が、女性をどの程度まで受け入れるべきかという議論をめぐってバランスを取ろうとしているからである可能性がある。
第2は、もっと大きな問題をはらんでいる。政治的パフォーマンスに関与するまでになっている軍の将校、出世第一主義者らがどこまで信頼できるかという問題だ。
米国は75年以上、武力戦争に勝利していない。これは紛れもない事実だ。現在、国防総省にいる誰も、戦争に勝った経験がないということだ。そのような人々によって作り上げられた軍が、紛争を優位に戦えると主張したとして、頼りにしていいものだろうか。
確かに、軍が戦争に勝てない理由の大部分は、無能で無関心な民間人の指導者らのせいにすることはできる。しかし、それは同時に、勝つ気のない紛争へと迷い込んだ時に、将校らが見て見ぬふりをしてきたことの結果でもある。
多くの将校にとって、戦争は昇進につながる。つまり現実的には、将校自身の中にもともと、利害の対立があるということだ。
現在、20年の戦争を経て、将校らは、無意味で、有害ですらあるアフガニスタン、中東の駐留軍の削減に強く反対している。将軍らは、常に最後の戦争の戦い方で戦うものだと言われるが、軍以外でもいつもそうであるというわけではない。
陸軍、海軍、空軍、海兵隊、宇宙軍の兵士らの闘志と勇気に敬意を払うという点で私たちは誰にも引けを取らない。しかし、国防総省がこの75年間にわたって、いい仕事をしてきたというふりをするのを見ることは、兵士らにとっても、それ以外の人々にとっても有益なことではない。軍が政治によってその能力を削(そ)がれたことはないと考えることは誰にとっても有益ではない。
軍がテレビ司会者に果敢に反論したことは、国防総省が依然として、挑発されれば反撃できることを示している。これは、喜ぶべきことだ。実際の敵に勝つために必死に戦う軍であってくれれば、それ以上に喜ぶべきことだ。