バイデン政権、パイプラインの気候変動へのリスク評価を開始

(2021年3月26日)

In this Aug. 21, 2017, workers make sure that each section of the Enbridge replacement Line 3 that is joined passes muster in Superior, Wisc.(Richard Tsong-Taatarii /Star Tribune via AP)

By Haris Alic – The Washington Times – Thursday, March 18, 2021

 バイデン政権は18日、石油・天然ガスパイプライン計画を承認するかどうかをめぐって、新設のパイプラインがどの程度、気候変動に寄与するかの評価を開始する。

 連邦エネルギー規制委員会(FERC)が18日の会議で発表した。会議には、バイデン大統領がFERC委員長に指名したリチャード・グリック氏が参加し、気候変動を考慮に入れなければ、「公共の利益」に適切に対処することはできないと主張した。

 バイデン氏が今年に入ってFERC委員長に指名したグリック氏は、「提案されているパイプラインが気候変動問題にどの程度寄与するかは、環境に非常に大きな影響を及ぼす」と述べた。

 エネルギー政策を主導する政府機関の一つFERCは、石油と天然ガスのパイプライン輸送を管理している。そのため、複数の州にまたがる天然ガスパイプラインを建設すべきかどうかに関して決定する権限を与えられている。

 気候変動へのパイプラインの寄与を評価するというFERCの決定は、この4年間の方針からの転換となる。トランプ前大統領のもとで、国内のエネルギー生産を促進するために、政府によるエネルギー規制は緩和されてきた。

 トランプ前政権ではとりわけ、主要パイプライン計画は、連邦政府から予算を受けている場合、連邦政府の評価を免除されてきた。これらの取り組みは、トランプ前政権が推進してきた広範囲に及ぶエネルギー政策の一部だった。トランプ氏は、気候変動協定から離脱、100以上の環境規制を撤廃した。

 トランプ氏の政策は民主党から非難されたが、その政策によって米国は2019年に数十年ぶりにエネルギー自給を達成した。その年の米国の炭素排出量の減少は、どの国よりも大きかった。

 バイデン氏とグリック氏ら高官の描く計画は、トランプ政権とは違う。バイデン氏は就任初日に、パリ協定に復帰し、2050年までに炭素排出量実質ゼロを達成することを約束した。

 さらに、「キーストーンXL」パイプラインの敷設許可を撤回した。このパイプラインができれば、カナダからテキサス州のメキシコ湾岸に日量80万バレル以上を輸送することが可能になる。

 計画中止は、環境保護団体から歓迎された。一方、共和党は、米国の雇用が失われると非難した。

 ジョー・マンチン上院議員(ウェストバージニア州)らは、別の観点から、政権のパイプラインへの反対を非難した。

 民主党議員の中でも保守的なマンチン氏は、上院エネルギー・天然資源委員会の委員長でもあり、パイプラインは石油と天然ガスを輸送する最も安全な方法であるという事実に「向き合う」よう党に求めた。

 マンチン氏は今月、エネルギーに関する会合で「鉄道と道路(で石油とガスを輸送すること)が大変な悪影響を及ぼしている。パイプラインは、これらを輸送する最良の方法だ」と述べた。

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